巨人族出現!
僕らは今、王国の東にあるアスン山脈に向かって道を進んでいる。これからの旅はラバという耐寒性のつよい馬に乗ってすすんでいる。なぜか乗り方がわかるということは記憶が戻ってきた証拠だ。
「ここからは寒いし、魔物も出るから気をつけろよ!とくに、マルク!」とエレンが言った。
「わかってるよ、もう大丈夫だってば。」後ろでグーが笑っていてちょっと腹が立つ、「グーは大丈夫なのかい?」と僕は試しに聞いてみた。
「グーは短剣の達人だ、それに、お前らグーのこと子供だと思ってるだろう。だが、こいつはもう40歳くらいになるぞ。」とエレン。
「それならグーさんは、おそらく、小人族の血がはいってますね。それで、ぼくらと同じくらいの身長なんですね。」とトントが言うと、うんうんとグーは頷いた。
そうして話してるうちに、山の麓まで来た。
そこには荒らされたテントの残骸で散らかっていた。
「こいつは、多分、巨人族の仕業だな。」とエレンが言った。その時、グーは震えていた。トントによると、巨人族は小人族の血が大好物らしい、気の毒だ。
転がっている物から判別すると、多分、やられたのは商人の一向であることがわかった。
そうするとグーが「やつらは小人意外の人間は食べない。だから、彼らは儀式の供物にされるだろう。」とガラガラ声で説明した。
マルクとトントはグーの声を聞いて、クスクス笑っているとエレンが咳払いをして話を戻した。
「まず、奴らの足跡を追っていこう。それから、どうするかを考えるぞ。」そして、僕らは足跡をたどって行った。
だいぶ、進んだ。少し遠くから煙があがっている、あっちで火を囲んでいるんだろう。
離れたところにラバをつないで、僕らは巨人たちから見えない岩の影で作戦をたてることにした。
「トントが魔法でこっちに捕まった連中を転送したらいいんじゃねえか?」
「まだ、僕はそんな魔法使えませんよ。」
「またっく、しょうがなねえな。俺がおとりになるからその隙に連中をつれていけ。」エレンはそう言うと、巨人たちのもとへ突進していった。




