初めての戦い
もう、太陽があがっている。まだ、エレンは寝ていけど、トントは起きていた。
「トントは一緒に来てくれるの?来てくれたらうれしいけどな。」
彼は少し間をあけて、「そうすることにします。そういえば、マルクは異世界から来たといいましたね。」
「うん」
「授業で習ったのですが、それは時々起こることなんです。でも、大体の人は魔物や盗賊にやられてしまいますよ、マルクは運がいいんですよ。」
「うーん、そうかな。ところで、そのメカニズムはわかってないの?」
「話によると、こちらの世界に来た人はみんな亡くなる前に光をみるそうです。」
「でも、ぼくは死んでなんかいないよ。ただ、光につつまれただけだよ。」
「まあ、これも通説なので本当かはわかりません。」
日が強く照りつき始めると、エレンが起きてきた。
「今日はどうする?アルダ周辺を探ってみるか?」
「あまり、お勧めはできません。悪い魔法使いに見つかったらおしまいですから。」
これじゃ、埒があかないなと思っているとエレンが
「おい、マルクはどうしたいよ?」と聞いてきた。
「僕はまたガルドスに戻って情報集めしたほうがいいと思うな。」
「そうだな、他の国にも行くにも食料がたりねえし、ガルドスに戻るか!」とエレンはカラッと言った。
ガルドスに行く途中、僕はトントと話をしていた。トントは僕に簡単な呪文も教えてくれて火を起こせるくらいにはなった。そして、僕はこの世界のことについてたくさん質問して、彼は何でも答えてくれた。彼は丁寧な言葉づかいとたくさんの知識を身につけているようだ。話している間、エレンは葉巻をふかしながらグーになんか話しかけていた。
あちらからなにかに二人組の男がこっちに向かって来る。服装からして、商人だろう。僕が彼らにおはようと言いかけたとき、エレンはもう剣を引き抜いていた。
なんと、彼らは商人に扮した盗賊だった。エレンはとっさに感づいて、剣を手にとった。僕もあわてて剣を引き抜き、トントもなんか呪文をとなえている。
盗賊が斬りかかってきた瞬間、転がっている岩が宙に浮いて彼らに襲いかかった。やったのはトントだ。エレンがひるんだ相手に斬った時、僕は腕から激痛がするのを感じた、二人を見ているときにもう一人の盗賊に切りつけられた。あわてて、エレンが応戦して倒したけれど、僕は腕の痛さで気を失った。
僕が起きた時には、もうガルドスについていた。腕は治っている、多分、トントが治してくれたのだろう。エレンが僕が起きたのに気づくと「ばかやろう、なに戦ってるあいだにぼうっとしてんだ。死んでもおかしくなかったぞ!」と僕は叱られた。何度も二人にお礼をしてると、「もういいんだよ。あと、ちっと市場に行ってくるから、二人で見物でもしてきな。」とエレンは言った。




