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界渡りの物語  作者: 九重
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飛翔 3

空気がざわざわと蠢いた。


体が今までで一番高く浮き上がる。


翼の下に風を抑え、翠子はそれが自分の意のままになるモノなのだと不意に理解した。



ソレは自分の翼も同然だった。



無意識に羽が動き、風が従う。


当然の事だ。


グン!と羽を伸ばす。


風が翠子の体から大きく広がった。


嵐のような突風が巻き起こる。



その風に翠子は楽々乗った。



ほんの一閃、翼を羽ばたかせる事で、翠子の体は空高く舞い上がる。


何の力も要らなかった。


たった今まで翠子の周りで、翠子の巨体を隠していた深い森が小さくなる。

湖は青い点にしか見えなかった。



(クフフ…)



自然に笑いが込み上げてくる。


大声で笑おうと思った時…




「アキ…」




風の中に息も絶え絶えな微かな声を拾った。



「え?あ!あぁっ!…ヤト!」



…忘れていた。

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