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界渡りの物語  作者: 九重
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勘違い

唐突に言われて、翠子は焦る!


「なっ、なっ!急に何?」


目を白黒させた。

突然のイケメンの告白に翠子はパニクる。 15年の人生で初めての事だった。


「あ、あ!でも、私は、今は竜で!」


焦ってバタバタと羽を動かせばヤトがふっ飛びそうになる。


(やっぱりダメよ!こんな私じゃヤトのお嫁さんになれない!)


何だかイロイロとすっ飛ばした事を考えてしまう翠子だった。




そんな翠子に、冷静にヤトは話しかける。


「詳しい説明は後だ。俺を信じて一緒に来てくれるか?」


生真面目なその顔を見て、翠子は自分の勘違いを悟る。

とても甘い告白の雰囲気ではなかった。



(そうよね。そんなはずないわよね。)



翠子の首はヘナヘナと下がり尻尾はペタンと地についた。

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