師匠となる人
親元離れて武士修行に行く清吉。その前に困難が沢山あった。
一つは武士になって誰に支えるかが清吉の課題
清吉は京都の実家に戻る途中で最高の人に逢えた
ある寺の山門を出ようとしてるその人に声をかけた
清吉には聞きたい事があった
この人の美への意識だ
山門へ出ようとした師匠はまた清吉を連れて戻り
茶室へ案内した。
その茶室は狭くて人がふたり入れば良い程であった。
清吉はこの狭さに安心感を感じていた
そして思わず笑いが出たのを師匠はすかさずに見て、
「賑やかな方ですなぁ」
「すみません、でもなんか自然と笑えますなぁ」
「やはり、皆さんそう言いますね」
「そうですよね、何でこんな狭い所なんでしょ」
「茶を飲むのに場所は何処でも良いのですよ」
「まぁ、そうですね」
「でも、二人だけの話の時はこの位がよろしい」
「そうですよね」
「何か迷ってますか?」
「え?」
「あなたの顔から迷いの気が、、、」
そんな事も分かる人なんだ、怖いなぁこの人は、清吉は何を言って良いか迷った。
「この茶碗見て、どうですか?」
「茶碗?」
「唐物、天目ですが、少し違い分かりますか」
その茶碗は小さくて普通の茶碗のようだった
清吉の実家はお茶を出す店屋だから、茶碗は幼い頃から唐物だろうが何だろうが、様々な物を見てきた
しかし、何が違うのかとよく見る
「手に取ってみてください」
「へぇ、、、、、、」
清吉が言われた通りに手に取り顔を近づけて見る
その茶碗の中の柄が見た事ない模様だった
「はぁーこ、これは、、、」
清吉が見たのは、どうしたらこんな柄模様になるのか不思議な模様があった
それは夜空の星のようであり、よく見ると一色ではなく錦色に見えた
「これは、、、珍しい、、、」
「多分、この国に二つとない茶碗ですよ」
後の師匠は清吉に師匠から見た、真の美を教えてくれた大事な恩師