出不精と嫌な天気
ピピピ、ピピピという電子音が聞こえてきて僕は目を覚ます。時間を確認した僕はなんでこんな朝早くに目覚ましなんて鳴るんだと思うが、カレンダーを確認してその理由を思い出す。
そういえば今日は食料を買いに出かけようと思っていたのだ。
出かけるのだから天気を確認しなければならない。暗いままの部屋で厚手のカーテンを少しだけ開けて外の様子を見てみた。
いまにも雨の降りそうなどんよりとした黒い雲が空にかかっていたが、遠くには太陽が出ているのも見えた。嫌な天気である。
暗い部屋から急に明るい外を見てしまったことで眩んだ目を戻すために何度か瞬きを繰り返した僕はカーテンを再び閉めると今度はテレビで今日の天気予報を調べることにした。
降水確率は50%でほとんどの地域で曇り。しかしところによっては晴れ間になるところもある、というようなことを喋る天気予報士の顔を見ながらなんの意味もないな、などと考える。
そして結局僕は出かけるのを止めてもう一度布団にくるまった。食べるものはないが、別に数日くらいなら食べなくても問題ないだろう。いざとなれば通販もあるし、なにより血はまだあるのだ。
人間よりもはるかに丈夫な吸血鬼の身体に感謝しながら僕は再び眠りについた。
まったく、晴れなんて大嫌いだ。
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