僕の嫌いな友達
今夜は又僕の嫌いな人参とピーマンの入った野菜炒めだ。
ママはいつも口煩く言うんだ。
「人参とピーマンは栄養有るんだからちゃんと食べなさい」と。
僕はいつも同じ言葉を繰り返す。
「だって、嫌いなんだもん」と。
いつも同じやり取りにもう飽き飽きだ。
そんなある夜僕は夢を見たんだ。
どこからともなく聞こえる泣き声。
うぇーん、うぇーんと。僕は泣き声の聞こえる方に顔を向けると、そこには僕の嫌いな人参とピーマンがたたずんで泣いていた。
何で泣いてるのと僕は嫌々ながら声をかけた。すると人参とピーマンは僕と友達になりたいんだって。
僕は喜んで嫌いな人参とピーマンと友達になったんだ。
そして、次の朝僕はママに宣言した。
「僕ね、人参とピーマンと友達になったんだ。」と。
するとママは嬉しそうな顔をして、「これからは人参とピーマン食べれるね」と言うから、僕はママに笑顔で「人参とピーマンは僕の大切な友達だから、食べたら可哀想だから食べないよ」
ママの呆れた顔がいつまでも僕の頭から離れなかった。