君は笑ってくれるかな
ぼくはぬいぐるみ。
ベッドの上。ぼくのお友だちが帰ってくるのを待ってる。
最近、あの子は元気がない。だから、ぼくはとても心配してる。
言葉を話すことはできないけど、言葉を聞くことはできるよ。
ちょっとでも、たくさんでもいいよ。
怒ってても、泣いててもいいよ。
ぼくは君のお話を聞くのが大好きだから、いくらでも聞かせて。
抱きしめることはできないけど、抱きしめられることはできるよ。
弱くても強くてもいいよ。
少しでもずっとでもいいよ。
ぼくは君に抱きしめられるのが大好きだから、いくらでも抱きしめて。
いっしょに寝ることもできるけど、いっしょに起きていることもできるよ。
おしゃべりでも、だんまりでもいいよ。
夜中でも朝まででもいいよ。
ぼくは君といっしょにいるのが大好きだから、いくらでもいっしょに起きていよう?
あ、あの子が帰ってきた。
迎えに行くことは出来ないから、君が来てくれるのをぼくは待ってる。
扉が開いて君がぼくに近付いてくる。
ぼくにできることはちょっぴりだけど、それでも君のことをいつもたくさん思ってる。
君がぼくを抱きしめた。
ね、君は笑ってくれるかな。