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83 家族って大変だ!

 娘が付き合っている彼氏が家に来る。


 その事の重さって年齢と共に変わって来ると思いませんか? ほら、小学生の頃、若しくは中学生くらいまでなら何方かというとほのぼのとした、あらそうなの、仲良しねって感じで終わりますよね? それが高校生になると、おいおい、どんな奴だ? 変な奴だと許さないぞ? って感じで一段と重くなって、大学生になると付き合ってるの先に結婚という文字がチラホラし始める。


「だ・か・ら、まだ付き合い始めて半年くらいなの! 結婚の挨拶なんかじゃないの!」


 24歳になる娘の彼氏となると、やはり結婚という文字が頭を過るのは仕方がないのかな? 当事者の自分達だって結婚を思いっきり意識しましたから。それ故に私の言葉に今一つ説得力が無かったのかもしれない。


 結局、今週の日曜日に藤巻君が来る事に決まりました。両親二人とも現在は悠々自適な無職さんなので、日曜日であれば基本的に時間はあるんです。旅行とか出かける予定があれば事前に教えてくれるので、今週末に問題が無い事は分かっていました。


「日曜日が楽しみねぇ」


 食卓ではお母さんがニコニコしています。お母さんにとって娘の結婚はある意味悲願でしたからね。私だけではなく、お姉ちゃんも今までに浮いた話の一つも有りませんでしたから。


「変な事言わないでね! まだ付き合い始めたばかりなんだから! それに私はまだ24歳だよ! 結婚はまだ早いから!」


 私が強めにお母さんに釘をさすと、思いっきり頬を膨らませました。


「日和はそう言うけど、お母さんの時代は普通に適齢期よ? クリスマスケーキに例えられて、25歳過ぎたら売れ残りって言われたんだから!」


 うん、聞いたことはあるけど、酷い時代ですね! 24歳なんて自分で言うのも何ですが、まだまだ子供ですよね。


「今の時代は30歳前後で結婚する人が多いよ! 30歳過ぎて結婚する人も多いし、確かに出産の事を考えると色々とあるけど、24歳は早すぎだよね? 4大とかでも卒業して2年だよ?」


「あら、問題はちゃんと結婚の事を考えてお相手を探しているかじゃないかしら? 遊ぶのは楽しいけど、結婚するのはって言う話をよく聞くわね。お母さんからすれば、若い頃からキチンと結婚や出産を考えて相手選びをしているの? って思うわね」


「え? で、でも、良い人が現れるかは運とかあるし」


 お母さんの勢いに押されます。でもですね、そう都合よく結婚相手何て見つからないと思いませんか?


「日和は藤巻君となら結婚しても良いって思ってるんでしょ? 貴方は器用じゃ無いから、お試しって言いながらも一応結婚しても良いって相手しかお付き合い出来ないでしょ?」


「それはそうだけど、それって普通だよね? みんなそうじゃ無いの?」


 お母さんが何を言いたいのか解らず首を傾げました。


「馬鹿ねえ。お母さんの若い頃だって、キープ君やアッシー君って言葉もあったのよ? 若いうちから結婚を前提にお付き合いなんて絶対に希少よ? 化石よ? それこそ今どきじゃないわね」


 変に断言するお母さんだけど、今度は何に感化されたのだろう? ドラマだろうか? 小説だろうか? ただ、思いっきり色眼鏡を掛けているのは解る。


「今の子って逆にもっと現実的だよ? それこそ、将来まで考えている子の方が多い気がする。未来に期待が持てないから、少しでも条件の良い相手を探すのに必死? 正に肉食獣の様」


 男より女の方が現実を見ている。だから結婚が早い子は普通に早い。男性の方が結婚時期は遅いような? ただ、それも考え方次第かも? 逆に高学歴だったり、家が裕福な子ほど要求基準が高くなって結婚時期が遅くなる傾向? ただ、それ以上に生涯独身っていう人が増えている気はするけど。


「前世で見たテレビの記憶だけど、今後どんどん平均初婚年齢は上がっていくんだって。2000年とかは確か女性で26歳とかだったけど、普通にこれから30歳超えるから。そのせいで出生率も急降下って言ってたけど」


「駄目じゃない! お母さんは早く孫が見たいのよ!」


「孫かあ。お姉ちゃんの所の小春ちゃんは可愛かったけど、自分の子供って言われてもピンとこない。それこそ、孫ならお姉ちゃんに期待したら?」


「その小春ちゃんだってお母さんはまだ会った事無いんだから! 日向もさっさとお相手見つけて結婚してくれないかしら」


「でも、変な相手と結婚したら色々と大変だよ?」


 呑気にそんな事を言ったら、その後すぐにお母さんから特大の雷が落ちました。


 でもですね、自分の子供ってぜんぜんイメージできないんです。今の段階では藤巻君と本当に結婚するかどうかすらも自信が無いですから。働き出して、日常の事に余裕が無くなって、そのままお付き合いが自然消滅とか有りそうですよね? 勿論、そうならない様にはするつもりですが、ハッキリ言ってマメじゃない自覚があります。


「ヤッホー、マイスイートシスター?」


「まあ、来ると思ってたけどねっていうか、胡散臭さが200%!」


「後ろで見てて、私もドン引きした」


「二人とも、其処まで言う!」


 夜になって我が家にやって来たのはお姉ちゃんと美穂さんの二人。勿論、二人の目的は藤巻君の事っていうか、間違いなく私を揶揄う為だろう。


「同じマンションに住んで居る弊害が思いっきり出てる~~~!」


 恐らくはお母さんから連絡が行ったのだろう。そして、仕事が終わってから揃って我が家へと襲撃を掛けて来た。


「食事は外で食べて来たから! で、なになに? まさかもう結婚前のご挨拶? で? 私の役目は? 妹はやらん! って言えばいいの?」


「そんな役目は無い!」


 滅多にないイベントに、何故かお姉ちゃんはハイテンションです。まあ、そう度々あっても困りますが、これは真実を分かっていて揶揄いに来ていますね。


「日曜日に噂の藤巻君がご挨拶に来る事になったのよ。貴方達は面識あるんでしょ? お母さんは話でしか聞いたことが無いから、で? どんな子?」


 藤巻君達と親しくなったのはお姉ちゃん達が大学を卒業後になります。それでも、度々大学へと遊びに来ていた為、お姉ちゃん達と藤巻君は面識があります。


「う~ん、あんまり印象に残ってないかな? 大人しい子だった気がする」


「私もですね。今どきの子なのかな? ちょっと奥手で静かな子ってイメージですね」


 まあ、必要もないのに会話に入って来るタイプでも無いですね。静かに会話を聞いていて、時々ボソリと呟くタイプ? これを大人しいとか、奥手で静かかというと、静かかあ? 大人しいかあ? って疑問が。


 私が首を傾げている間にも、お母さん達は何やら盛り上がっています。ただ、ふと考えると大事な事がおざなりになっているような?


「ねえ、お姉ちゃん」


「ん? 日和、どうしたの?」


「良く考えたらなんだけど」


「ん?」


 私は此処で、思いっきり溜を作ります。お姉ちゃん達も何事かと行った表情で私を見ていました。


「合格のお祝い言われてないんだけど」


「「あっ!」」


 お姉ちゃんのみならず、美穂さんも気が付いていないみたいでした。まあ、メールで連絡して、おめでとうとメールでは喜んでくれました。でもですね、普通はまず第一声でおめでとうじゃないでしょうか?


 じと~~~っとした眼差しでお姉ちゃん達を見ていたら、思いっきり慌てた様子を見せます。


「日和、おめでとう! 頑張ったね! ごめん、まず最初に言わなきゃダメだったね!」


「日和ちゃんおめでとう! お疲れ様! ごめんね、私も思いっきり頭から飛んでた! って、うわ! 合格した時用のプレゼント忘れて来た! ちょっと取りに行ってくる!」


「あ、私もだ! 忘れてた! ごめん、ちょっと待ってて!」


 お姉ちゃん達はドタバタと玄関へと走って行っちゃいました。っていうか、プレゼントは嬉しいけど、まさか本当に合格報告が頭から消え去っていたとは思わなかった。


「あらまあ、日向は相変わらずねぇ。美穂ちゃんも恋バナには弱かったのね」


「お母さん、何馬鹿な事言ってるの? っていうか、日曜日の事をお姉ちゃん達に連絡したの、お母さんでしょ? 言わなくても良いのに!」


 頬を膨らませながら思いっきり抗議をしましたが、お母さんは笑っているばかりで堪えた様子和ありません。


「あら、大丈夫よ? 日和が結婚しそうなんだから、あの子にも焦って貰わないと。それこそ、小春ちゃんに早く会いたいわあ」


「え? え? あれ? 若しかして本命はそっち?」


 驚きの眼差しでお母さんを見ると、口元をニンマリとさせながらも、結構マジな眼差しのお母さんが居ました。

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― 新着の感想 ―
小春ちゃんに会うには駄目男を捕まえる必要があるんだよな。そんな奴と結婚したら資産家の嫁と子供だけ作って嫁と財産だけは諦めるってならんだろう。タネ目的でやるだけやって別れるか?人工受精なら確率上がるし
僕に娘さん(の財産)をください(・∀・)
はたして姉の子の小春ちゃんは前世と同じ小春ちゃんなのだろうか まずは目先のご挨拶、楽しみです
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