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第一話 召喚転生

 目を開けると大きな天井が目に入る。

 背中に違和感があり、何か体の感覚がおかしいと思うと、俺はきれいな女性に抱きかかえられえていた。


 俺は今、赤ちゃんになっている!?


 体に力を入れてみるが、思い通りに動かせない。

 これはつまり、異世界召喚ではなく、異世界転生したということなのか?

 もしかして、俺以外も異世界転生しているのか?それとも、俺だけ異世界召喚されずに異世界転生されたのか?

 というか、ラノベだと異世界転生する人はみんな一回、神か女神にあって何かしらの能力とかもらうのがお決まりだけど、俺神にも女神にも会ってないんだけど。そもそも異世界召喚で転生した場合は、ちゃんと何か特別な能力もらえるよな?ってかあってくれ。

 神にも女神にも会わず転生したら、能力がもらえないとかない・・・よな。

 こんな事考えてると、悪い想像ばかりしてしまうし、考えてもわからないから、このことは一度考えるのをやめよう。

 まずは、この世界について知ることから始めなくては。


 俺は、異世界に行きたいと思い始めてからあらゆる可能性を考えてきた。

 異世界召喚されたパターンとか、異世界転生されたパターン、パラレルワールドに行くパターンなど様々なことを。

 今は・・・ちょっとどれにも当てはまらないけど、異世界転生されたパターンだと仮定しておこう。

 

 異世界転生パターンは、赤ちゃんからで、言語を理解できていないことが多い。それに、神や女神から転生先の世界について詳しく聞けるかわからないから、自分で調べる必要がある。だから、言語の習得が最優先事項になる。

 

 俺がいろいろと考えている間、この世界での俺の父親と思われる男や、母親の周りにいたいろんな人に抱かれたり、話しかけられたりしたが、何せ言葉がわからないので無視していた。

 そうして、赤ちゃんながら生まれてすぐいろいろとしたせいか、急に眠気が襲ってくる。

 抗う必要もないので、眠気に身を任せて寝ようとした時、ちょうど母親の腕の中に戻ってきた。

 なぜだか、とても落ち着く。

 俺は、久しぶりに気持ちよく寝ることができた。


 異世界転生・・いや、異世界召喚で転生したから・・・、召喚転生?してからまた赤ちゃんから人生を始めたわけだけど、前の記憶がある分、母さんの母乳を飲むのに罪悪感がある。

 若い女性のおっぱいに、中身は高校生の俺がしゃぶりついているなんて。

 しかもめちゃくちゃ美人だからなお申し訳ない。元の世界だと、これほどの美女のおっぱいを吸うことは、俺の人生では一生なかっただろうから。


「ずるして美人のおっぱいを吸ってごめんなさい。」


 俺は、毎回心の中でこの謝罪をして母乳を飲むことにしていた。

 まあたぶん、締まりのない顔をして母乳を飲んでいただろうから伝わってないだろうけどね。

 

 そんなこんなで、一人っ子の俺はかわいがられて順調に育っていった。




 異世界に転生してはや三年。

 三歳になった俺は、会話をマスターしていた。まだ、発音は完璧ではない時があるが。

 そして、少しは読み書きができるようになり、この世界のことが少しずつ分かってきた。

 俺が今暮らしているのはエルフと妖精の国<フューリット>で、他には、人間の国<セルディア王国>、魔族の国<ボルフェス>、獣人の国<ガルド>、竜人の国<ドラシオン>、吸血鬼の国<ブルード>などがあり、種族ごとに国を作っているみたいだ。


 なぜ俺がエルフと妖精の国で暮らしているか、それは、俺が転生したのは、エルフと人間の子供、ハーフエルフだったからだ。

 そして、俺のこの世界での名前は、ハク=F=エイリッヒ=レイフォードというらしい。

 生まれたときは、ちゃんと視認したのは母さんだけで、母さんは人間だったからてっきり自分も人間だと思っていた。

 だから、初めて父さんを見たときは驚いた。

 耳が長く、まさしくラノベとかで見たエルフそのものだったからね。

 赤ちゃんの頃は人とあんまり変わらないくらいの長さだったけど、俺も成長するにつれて耳が少しずつ長くなっていった。

 それを見て自分が人間ではなくなったと実感する。


 けれど、全く後悔はない。それどころか、自分でも驚くほど、人間であったことに未練がないみたいだ。


 異世界に転生してエルフを見られただけでなく、自分が長寿であるエルフになれるとは。

 正直、元の俺のまま異世界召喚よりも、別の人間として異世界転生するよりも嬉しかったりする。

 チート能力とかはなさそうだけど、人間の何倍も生きられるってのはある意味チートかなとも思う。

 

 そして、この世界にはやはり魔法が存在する。(まあ、オタクの俺はエルフがいる時点で察したけどね。)

 さっそく使えないかなと思ったけど・・、そんなに甘くありませんでした。

 詠唱したりしないといけないので、結局は言語の発音、読み書きを完璧にしないといけなかった。


 三歳にもなるとある程度歩けるようになり、本名をエスフィア=F=シルトローゼ=ロータスという隣の家の同い年の女の子とよく遊ぶようになった。

 エスフィーと仲良くなってからは、遊ぶだけでなく、一緒に勉強もするようになった。

 エスフィーと一緒だと、何をしても楽しかった。


 ちなみに、俺のこの世界での初恋は、まだ三歳の幼女であるエスフィーだろう。

 (自分でもびっくりしたね。だって、高校生の俺は三歳の幼女までいけるロリコンだったみたいだから。)




 こうして、エスフィーと一緒に過ごすようになって二年。

 俺たちは五歳になり、やっと魔法解禁となった。

 本当は、言語をマスターしてからすぐにでも取り掛かりたかったが、フューリットでは、魔法は五歳になるまでは使用禁止だ。

 なんでも、魔力が少ない状態で魔法を使うのは危険らしい。だから、魔力量の少ない子供は五歳までは魔法を使うのを禁止にしているみたいだ。


 誕生日が早い俺は、エスフィーが五歳になるまで待つことになっている。

 エスフィーと「一緒に魔法を習おうね。」と約束しているから。

 もうすぐ、エスフィーの誕生日がきて二人とも魔法が使えるようになる。


 

 そして、ついに魔法を学ぶ日、つまり、エスフィーの誕生日の翌日ががやってくる。




    

 

 

 

 

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