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「これが……わ、私の魂……」

『そうです。生来の貴女は穏やかで心優しい人間だったのでしょう。しかし、復讐に囚われた貴女は本来の自分を見失ってしまった。復讐の過程で無関係の罪の無い者を巻き込む度に、貴女は自分で自分の魂に傷をつけ、濁らせていったのです』

「わ、私は……そんな事は……」

『アリスの様に魂を他者に傷つけられる事は普通あり得ません。本来、魂は何者にも傷つけられない。魂を傷つけ汚す事ができるのは自分だけなのです。本当に人々を巻き込んだ事を後悔した事は有りませんか? 罪悪感を感じたことは有りませんか?」

「…………」

『そうして傷つき濁った魂は次第に精神に影響を及ぼしました。その結果、更に多くの血が流れ、貴女はますます魂を傷つける。アリスと出会った事で緩和されていなかったら魂はとっくに限界を迎え、貴女の精神は崩壊していました。そうなれば良くて廃人、悪くすれば周囲に死を振りまく狂人となっていた事でしょう』

「私が……」

『貴女のその傷ついた魂では世界の改変に耐えられないでしょう』

「そんな……何か方法はないのですか⁉︎」

 女神様は少しだけ瞑目した後、口を開いた。

『一つだけ方法は有ります。しかし、私はそれをおすすめしません。傷付いた貴女の魂でこの方法をとるのはリスクが大きい。それならば今後の人生を静かに過ごして死後、魂を癒し輪廻の輪に戻る方が貴女の為です』

「……アリスも輪廻に戻れるのですか?」

『いいえ。アリスの魂はただ傷ついているのでは有りません。人の魂から精霊の魂へと変質し掛けている状態です。そこまでは私と同じなのですが、アリスの魂では完全に精霊になる事は出来ません。アリスの魂はこのまま砕けて消え去る事になるでしょう』

 それでは意味がない。だが女神様は方法は有ると言った。

「ではそのおすすめしない方法というのを教えて頂けませんか?」

『……貴女の魂とアリスの魂を融合させるのです。貴女はイブのカケラの持ち主です。二人分の精神を維持する事は可能です。ですがその為には精霊へと変化したアリスの魂に合わせて貴女の魂も変質させなければいけません。そんな事をすれば貴女もまた、輪廻の輪を外れ自らの罪に苦しみながらその傷ついた魂で永劫の時を生きる事になります。死によって解放される事も有りません。それでもアリスを救うために自らの魂を差し出すのですか?』

「勿論です」

 悩む事なく答えた私に女神様は苦笑を浮かべた。

『分かりました。ではお行きなさい。願わくば貴女の終わりなき旅路が幸福な物で有ります様に』

 女神様の言葉を聞き、私の意識は遠のいて行った。


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