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女神の代行者②

 私の神器【神の恵みを刈り取る刃】の能力は斬り殺した相手の魔力を吸収すると言う物。

 多くの敵を相手にする場合には強力だけど、一対一の戦いではただの鋭く頑丈な大鎌になってしまうッス。

 それに対してアルトロスの剣はおそらく自身の魔力を適性属性以外の魔法に変換出来る能力を持つ魔法武器でしょう。実に卑怯ッス。

 アルトロスが剣を振る度に炎の刃や風の刃、地面に剣を突き刺せば岩の棘や氷の刃が繰り出される。

 それを【神の恵みを刈り取る刃】で打ち払えば多少の魔力を吸収出来るんッスけど、この程度では身体強化や自己治癒の足しにもならない。


「伯爵二位って嘘ッスよね? 前に侯爵二位の悪魔と戦った事が有るッスけど、あんたは明かにあの悪魔よりも強いッスよ」


 正確に言うと私は遠くから援護していただけで、侯爵二位の悪魔と直接戦ったのは私の師匠であり、先代の枢機卿の一人ッス。


「私は爵位に興味など無いからな。目的を果たすには伯爵二位の爵位が有れば十分だ」

「そーッスか!」


 大鎌を大振りに振るい少し距離を開ける。


「【聖槍】」


 聖なる光を槍として放つ魔法だ。低級悪魔なら掠っただけで消し炭に出来る魔法だが、アルトロスは黒い霧を纏わせた剣の一振りで打ち払ってしまった。


「【闇】」


 剣の切っ先を私に向けると、黒く鋭い魔力が放たれる。


「【聖壁】」


 咄嗟に防御魔法を使うが、アルトロスの黒い魔力の刃は聖なる光の壁を切り裂く。


「深淵属性魔法ッスか⁉︎」


 深淵属性は闇属性の派生属性。風属性の派生属性が雷属性である様に、基礎属性の闇の派生属性だが深淵属性は人間には扱えない属性ッス。対照的に光属性の派生である聖属性は悪魔には使えない。

 でも浄化や治癒に強い力を発揮する聖属性と違い、深淵属性は破壊のみに特化した属性ッス。

 正面からぶつかり合うには分が悪い。


 アルトロスは私の僅かな意識の隙間を縫う様に間合いを詰める。


「っ⁉︎」

「【炎】」


 燃え盛る炎を纏った剣を上段から振り下ろし、私を両断しようとするアルトロスだったが、なんとか反応できた私は、純白の大鎌の柄を間に滑り込ませ受け流す。


「ぐっ⁉︎」


 しかし、反撃は許されず蹴り飛ばされてしまう。

 崩れた王宮が瓦礫の様になっている中に叩きつけられた。

 魔力で強化してなかったら死んでたッスよ。


「……やはり、私の神器ではタイマンはキツいッスね」

「ならそこで大人しくしていろ。邪魔をしないならわざわざお前の命を奪うつもりは無い」

「いやいや、魅力的な話ッスけど、そう言う訳には行かないッスよ」


 瓦礫の山から這い出た私は、ボロボロになってしまった修道服の袖を千切り捨てる。


「むっ⁉︎ その腕は……まさか、お前は……」


 アルトロスは私の左腕の痣を見て驚いた様に目を見開いた。コレを知っているって事ッスか。


「そう言えば聖女スーリスも私と同じだったって言い伝えがあるッスけど、本当ッスか?」

「……ああ」

「そうッスか」


 なる程、言い伝えは本当だったんッスね。1500年前、聖女スーリスと共に魔神と戦ったのならアルトロスが知っていても不思議は無いッス。

 私は自身の左腕の痣、聖女スーリスと同じ女神の代行者の証《聖痕》へと指を這わせる。


「主よ、代行者たる我に御力をお貸しください」

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