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風と炎④

お久しぶりです。_:(´ཀ`」 ∠):

 モーリスを飲み込んだ魔法陣が黒い光を放つと、魔力が集まり魔物と人間を混ぜた様な化け物が現れる。

 モーリスだったソレは、獣の様な両腕に元の角よりも遥かに大きく禍々しい角、真っ赤に染まった目、真黒に染まった皮膚を持っており、大きく裂けた口からは肉食獣の様な牙が覗き涎がダラダラと流れ出ていた。

 その醜悪な姿を見た蚕は感極まった様に涙を浮かべて誰に共なく語る。


「クヒクヒクヒィ、どうだい? どうだい? すっばらしぃだろぅ? 爵位持ちの悪魔を核に神器の顕現過程を参考にした魔力凝縮法で魔力を過剰凝縮したんだ。そこに魔物の魔力が加わるとどうなると思う?

 これがこたえだよぉぉ!」

「狂ってるね」


 アデル陛下の一言がこの老魔族を的確に表していた。


「さあ! さあさあさあ! その力をみせてくれぇ! 実践実験の開始だよぉ」


 蚕の命令に従ったのかどうかは分からないが、化物と化したモーリスは俺とアデル陛下へと襲い掛かってきた。

 私とアデル陛下は同時に左右へと身を躱す。

 そしてアデル陛下はすぐさま転身して風と魔力を纏った拳を黒く染まったモーリスの胴に叩き込んだ。


「【風華:嵐】」


 暴風を伴う打撃を受けてもモーリスは一歩も退がる事も無くアデル陛下に鋭い爪を持つ獣の腕を振り下ろした。

 一陣の風と共にその場から消えた様に見える程の速さで爪を躱したアデル陛下は、モーリスの背後に回り込み大きく振り上げた足を振り下ろした。


「【風華:断風】」

「真紅の輝きを以てその罪を焼き尽くせ【紅蓮の業火】」


 アデル陛下の攻撃に合わせて【鋭き火種】を振るい魔法を放つ。

 神器の力で強化された炎属性魔法は通常時を遥かに超える高温でモーリスを飲み込んだ。


「ルーカス卿!」


 アデル陛下の声に、反射的にその場を飛び退いた。

 俺が立っていた場所には【紅蓮の業火】で燃えながら暴れ回る狼型の魔物の姿が有った。


「何処から現れた?」

「あのモーリスとか言う悪魔から飛び出した様に見えたけけど……」


 炎に包まれて言葉にならない雄叫びを上げるモーリスから次々に魔物が飛び出して来る。

 それも明らかにこの街に溢れていた魔物よりも強化されている。


「グロォォォオ!」


 モーリスの慟哭が空気を揺らす。獣の豪腕を振るい炎を振り払う。

 その体には焼け目一つ付いていなかった。


「あれだけの炎で無傷か……僕の攻撃も効いている様には思えないね」

「ええ、防御力が高いのか、或いはとんでもない回復力が有るのか」

「もしくはその両方だね」

「それは勘弁して貰いたいですね」


 アデル陛下と軽口を交わしている間にもモーリスが生み出した魔物が距離を詰めて来る。

 家の高さを超えるジャイアントスケルトンや2つの頭を持つオルトロスの様な強力な魔物、更には鎧の様な鱗に包まれた狼や無数の腕を生やしたムカデの様なアンデッドなど、見た事の無い魔物まで混ざっている。

 蚕とか言う老魔族は民家の屋根の上で歓喜の声を上げていた。


「すっっっっばらしぃぃぃい! 幾つもの魔物の魔力を統合し上位種だけでなく新種の魔物まで

 作り出すとは⁉︎ マァァァアベラッス!」

「マッドアルケミストと言うやつか」

「僕、あいつ嫌いだな」


 こちらの事など眼中に無いかの様に悍しい姿のモーリスをキラキラした目で見る蚕、それを睨み付ける俺達に振り下ろされたジャイアントスケルトンの拳をアデル陛下の部下の獣人が両手の槍で打ち砕いた。

 エルフの弓兵の放った矢がオルトロスの4つ有る目の3つを潰し、俺の配下の騎士達も剣を抜いて魔物を迎え撃つ。


「陛下、ルーカス殿! 魔物共は我々が押さえます!」

「今のうちにあの悪魔を!」

「と言う訳で僕達はアレの相手だね。ルーカス卿」

「その様ですね。アデル陛下」

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