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前哨戦⑦

 私は愛用の短剣を構えてオウル……いや、梟の動きを観察していた。

 今回、アリス様が拐われた時、私はルノア様とエリー様に与えられた仕事をこなす為、アリス様の元を離れていた。

 そう、また守る事が出来なかったのだ。


 ルノア様と話し合った私は、アリス様奪還の為の遠征に無理を言って同行させて貰った。

 そして今、アリス様を拐った者の1人が目の前にいるのだ。


 あの日からわたしは考えた。

 色々な人達からアドバイスを受け、自分が何をするべきなのか、と。


 私は間合いを開ける様にゆっくりと退がっていたルノア様と視線を交わす。

 ルノア様がうなずくのを確認した私は、放たれた矢のように駆け出した。


「【風属性付与】」


 ルノア様の魔法を受け、更に加速。

 梟は急に速度が上がった私に、僅かに目を見開いた。


「はっ!」


 その隙に短剣を投擲する。

 まさか、メインウェポンを手放すとは思っていなかった梟の反応が僅かに遅れ、私の接近を許す。


「【剛撃】」


 放ったのはただの打撃。

 しかし、獣人である私は、同年代の人族に比べればかなり力が強い上、スキルで筋力を一瞬底上げした一撃は、飛来した短剣を短刀を振い打ち払った梟の小柄な身体を吹き飛ばした。


 拳を繰り出す為に足を止めた私をミレイ様が追い抜いて行く。

 何かの建物に叩きつけられた梟への追撃を与えるのだ。


 ミレイ様が梟の喉を狙って短剣を突き出すが、梟は寸前の所で頭上にあった建物の窓に手を掛け、逆上がりの要領でその身を窓まで引き上げると跳躍し、ミレイ様と私の間に降り立った。

 私はルノア様から投げ渡された短剣を構え、ミレイ様と共に挟み込む様に梟の隙を窺った。


 時折放たれる魔法はかなりの威力が有るが、打ち払えない程では無い。


 背後のルノア様が上級魔法の詠唱を始めたので、私はガードする様に前面に陣取った。


 梟は私達を無視してミレイ様に斬りかかるが、ミレイ様は余裕を持って梟の短刀を受け止めた。

 そのまま短刀と短剣で鍔迫り合いをする梟とミレイ様。


 偶然、全員の挙動が止まる。

 少し離れた所ではエリー様達やバアル様が戦っているが、私の周囲では戦いの最中にほんの僅かな静寂が生まれた。


 そんな時だからだろう。

 梟の呟きはその声量に反してしっかりと聞こえた。


「3人か。思っていたより釣れなかったね」


 つれる……何を……?


「っ⁉︎ミーシャ!ルノア!私から離れなさい!」

「遅いよ【限定転移(リミットゲート)】」


 梟が魔法を使った瞬間、周囲の景色は一変してしまった。



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