前哨戦⑥
くだらない提案への返答は斬撃で返した。
スキルで刃を飛ばして斬りつけると、フリードは大きくタタラを踏んで態勢を崩した。
「えい!」
「はっ!」
「神威ッス!」
その隙にユウとエルザ、ティーダが攻撃を加える。
ユウの戦斧がフリードの首を刎ね、エルザの剣が帯電する腕を斬り飛ばし、ティーダの鉄杖がブラートの顔を叩き潰した。
しかし、その傷も瞬く間に回復してしまう。
「貴様らぁあ!!不敬だ!不敬だぞ!この俺に対してなんたる狼藉だ!死刑に処す!」
「フリード……諦めろ、もう俺たちは終わりだ。このまま殺して貰う方が良い」
「黙れぇ!!!!」
痛みと怒りで、癇癪を起こした子供の様に叫びながら暴れ回るフリードを見ながら仲間達と手早く意見を交わす。
「あの回復力は厄介ですね」
「ああ、およそ急所と思われる場所を破壊されても平然と回復したからな」
「でも痛みはあるみたいッスね。最悪、戦意を失うまでダメージを与えるッスよ」
ティーダの意見にエルザは少し目を丸くする。
「なんだティーダ。命を弄ぶな、とか言っていたから奴らに同情していたのだと思っていたのだが、意外と辛辣なんだな」
「え?あんな奴らどうなっても良いッスよ。
あいつらがやった事は聞いているッスから。
私が許せないのは命を弄ぶ行為そのものに対してッス」
私はそんな3人に声を掛ける。
「敵はフリードだけでは無いわよ」
そう言いながら左手の短剣で梟の短刀を受け止めた。
私達がフリードの対応をしていた間に、グレナムと梟は不意打ちを仕掛けたのだ。
グレナムのハルバードが死角からティーダに向かうが、その一撃は横から割り込んだバアルの手甲に阻まれる。
「へん!随分とペラペラ喋る様になったじゃねぇか。
お前の相手は俺だぜ」
「ふん、チンピラ崩れが、調子に乗るなよ」
バアルとグレナムが激しい攻防を始めた時、私と梟の間に入る者も居た。
「エリー様、ここは私達が」
「エリー会長はユウ様達とあちらの化け物をお願いします」
ミーシャとルノアだった。
「あなた達……」
「エリー様、私も出ますので、此方はお任せ下さい」
「……分かったわ、無理はしないで」
ミレイを含めた3人に梟の相手を頼んだ私は、まだブラートと罵り合いながら暴れ回っているフリードと対峙した。
フリードが大声で騒いでいたせいか、魔物まで集まって来ているが、そちらは騎士達に任せる事にする。
「さっさと倒してアリスの所に行かせて貰うわ」




