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オーキスト殿下の参戦

「そうッスか。アリスちゃんが……」

「ええ、それにこのままでは魔神が復活してしまうわ。早急に対処しないと」


 ティーダが頷く。


「もちろん、私も力を貸すッスよ!」

「頼りにさせて貰うわ」


 そしてティーダからもナイル王国王都の現状を聞いた。

 現在は黒い光で包まれている王都だが、外から探った限りだと、中には悪魔しか居なかったそうだ。

 王都の住人は皆、悪魔の犠牲になった物だと思われる。

 更にはテイムされた魔物らしき存在も多数確認されている。

 王都を襲撃するなら、それらへの対処法も考える必要が有る。

 ティーダの話では、王都以外のナイル王国の街村は無事で、王都と連絡が取れないなか各領主が民を纏めているそうだ。

 ティーダは従魔を使って西大陸の大神殿や各神殿と連絡を取っているそうで、王都に近い領地を持つナイル王国の領主達に神殿を通じて民の避難と警戒を呼びかけているそうだ。


「外に〜漏れた魔物や〜悪魔は〜あちしに〜任せるの〜」

「フラウさん?」

「王都の〜近くに〜城を作って〜出て来た〜奴を〜砂の騎士団で〜殲滅するの〜」

「それは助かりますが……1人でですか?」

「あちし〜Sランク〜。任せて安心〜」


 どう見てもだらけ切ったハーフエルフだが、ティーダに視線を向けると頷きを返すので信用は出来るのだろう。


「フ、フラウ様が……フラウ様が自ら仕事を⁉︎」

「いや、1番動かなくて良いポジションをキープしているだけだと思うッスよ?」


 何故か感涙するジョンにティーダが苦笑いでツッコミを入れた。

 その光景を無視してオーキスト殿下が提案する。


「では明日1日を休養に当て、明後日ナイル王国王都に攻め込むか」

「そうですね。ですが……」


 オーキスト殿下は此処に残るべきだ。

 その言葉は差し出されたオーキスト殿下の手で止められた。


「俺も行くぞ。どうせ魔神が復活したら中央大陸は終わりなんだ。ならば前線で最善を尽くしたい」

「勤勉ッスね。流石、ユーティア帝国の皇太子殿下ッス」

「しかしオーキスト殿下、護衛を付けないとは行きませんよ。死罪が決まっているボクとは違って、オーキスト殿下には生き残って貰わないと」

「一応、自分の立場は理解している。私はアデル殿とルーカス辺境伯と共に騎士達を連れて城下町の悪魔や魔物を討伐するつもりだ」


 なるほど、確かにオーキスト殿下が連れてきた騎士団は個人戦技に長けた精鋭とは言え、騎士の本分は集団戦。

 王城の攻略よりも向いているか。


「殿下……ご自分の立場をご理解されているなら、安全な場所でご指示を出して頂けると宜しいのですが?」

「ソレはソレ、コレはコレだ」


 オーキスト殿下の背後で護衛の近衛騎士が疲れた顔で言うが、オーキスト殿下は取り合わなかった。

 完璧な貴公子と言うイメージだったが、意外とヤンチャな所が有るのかも知れない。

 まぁ、コレをヤンチャで済ませて良いのかは分からないけどね。 

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