表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

236/308

追撃戦③

 見えてきた最前線では、帝国軍の追撃部隊が啄む様に攻撃を加えていた。

 ハルドリア王国軍の殿は正規兵だが、騎士程では無い。

 傷を負えば交代し、少しずつ被害は増えて行っている。


 追撃部隊と合流した私は早速魔法を使うべく、友軍を退避させた。

 ハルドリア王国軍は、急に攻め手が緩んだ事を訝しんでいる様だが、コレを好機と捉えたのか指揮官が下級兵を急かして足を早めていた。




「【石塔】」


【暴食の魔導書】を片手に石の塔を作り出し、頂上に立つ。

 直径1メートル程の足場だが視界を確保する為の塔なので問題は無い。


 使う魔法は広範囲で良いが、威力は抑えめにするべきか。

 高威力で死者を量産することも出来るけれど、帝国の領土内でそれをするとアンデッド対策や病気対策など面倒な事になるのでオーキスト殿下に止められたのだ。

 なのでなるべく多くの兵に傷を与えて継戦能力を削る方針だ。


「【氷雨】【旋風】【炎矢】」


 空から降り注ぐ魔法にハルドリア王国軍はパニックになる。

 直撃さえしなければ即死はしないが、砕けた氷や火の粉が風に舞い広範囲に被害を与える組み合わせだ。

 隊列を乱して逃げ出そうとする者も居るが、其方は事前に左右に配置した追撃部隊が迎え撃っている。


 私は石の塔の上から何度も魔法を放つのだった。



 ◇◆☆◆◇


「アデル陛下!」

「如何したの?」


 ボクは撤退中の軍の先頭近くで伝令の兵に対応していた。


「帝国軍の追撃が更に苛烈になりました」


 その報告にボクは顔をしかめる。

 一応、殿には正規の訓練を積んだ兵と、占領していた都市でいろいろとやらかしていた部隊を配置して居たのだけれど、如何しても被害が出るだろう。

 更に詳しく聞くと、帝国の追撃は大量の広範囲魔法を打ち込む物らしい。

 嫌らしいのは、その魔法が明らかに手加減されていると言う所だ。

 怪我はするが死にはしない。

 戦場で1番厄介な物だ。


「相手の魔法使いは何人?」

「1人です。噂の黄昏の魔女だと思われます」

「…………エリー姉様が」


 ボクは後方に目を遣る。

 此処からでは何も見えないが、後方ではエリー姉様の魔法が雨霰と撃ち込まれているのだ。


「ボクが出るよ」

「アデル陛下!」

「大丈夫だよ、オルト。エリー姉様を止められるのはボクだけだ。今度は戦うよ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ