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アリス・イン・ワンダーワールド:れっすん・とぅ・まじっく

「水よ 我が意に従え【(ウォーター)操作(コントロール)】」


 私がかざした右手の先に私の体の半分くらいの水が球の様になって浮かぶ。

 目の前に立ったママが私の作った水球を見ながら言う。


「そのまま維持して……もう1つも出来る?」

「うん!」


 私はママの指示通り、左手も掲げて呪文を詠唱する。


「炎よ 我が手に宿れ【(ファイア・)操作(コントロール)】」


 水球の横に同じ大きさの炎の球が現れた。


「良いわよ、限界まで維持して」

「むむむ……」


 2つの魔法に同じ様に魔力を流して行くけど、次第に炎球の方のバランスが崩れてくる。


「わっわっわ!」


 そうしている内に、炎球がポンと弾けて消え、残った水球が大きく形を変えて揺れ、私の頭の上で弾けてしまった。


「大丈夫、アリス?」

「うん、ビックリしただけだよ」


 水浸しになった私にミレイお姉ちゃんがタオルを手渡してくれた。

 タオルを頭の上に乗せると、ママがタオルを手に取って丁寧に拭いてくれる。


「やっぱりアリスの魔法適性は少し水属性に傾いているみたいね」


 私には水属性と火属性の2つに適性があるらしい。

 それはとても珍しい事らしく、ママ達には外では火属性は使ったらダメだと言われた。

 その為、魔法の練習は水属性を中心にやっていたのだけれど、私は水属性の方が得意みたいだ。


「アリスもなかなか魔法を制御出来る様になって来たわね」

「本当?」

「ええ、随分と維持時間も伸びているわ。

 そろそろ、攻撃魔法の練習も始めましょうか」

「うん!」


 私は今まで攻撃魔法はほとんど教えて貰っていなかった。

 出来る事と言えば、【水球(ウォーター・ボール)】くらいだ。


「それじゃあ、明日から攻撃魔法を教えるわね」


 ママが私の髪を拭いてくれるのがくすぐったくて笑みが浮かぶ。


「はい、おしまい」

「ありがとう、ママ」



「へぇ、アリスちゃん、とうとう攻撃魔法を教えて貰える様になったんだ」

「うん、明日から教えてくれるって」

「アリス様、頑張って魔法の練習をしていましたからね」


 魔法の練習を終えた後、お昼休憩をしていたルノアお姉ちゃんとミーシャお姉ちゃんに魔法の事をお話しした。


「アリス様は攻撃魔法を習得して、戦える様になりたいのですか?」

「別にそう言う訳じゃないよ?」

「そうなの?」

「うん」

「じゃあどうして?」

「分からないけど……今は色々な事が出来る様になりたいんだ」


 私はママのお陰で毎日楽しく暮らしている。

 だから、いつかママのお手伝いが出来る様に、いろんな事をお勉強したい。


「そっか、アリスちゃんはエリー会長の役に立ちたいんだね」

「うん」


 ルノアお姉ちゃんが頭を撫でてくれる。


「アリス様がそう思っているだけでエリー様は嬉しいと思いますよ」

「そうかな?」

「はい」


 ミーシャお姉ちゃんもリボンを結んだ尻尾をフリフリと揺らしながらそう言ってくれる。


 ルノアお姉ちゃんもミーシャお姉ちゃんも強いし、優しい。

 私もお姉ちゃん達みたいになる為に頑張らないと。


 フンス!と気合を入れると、お姉ちゃん達は顔を見合わせて笑った。




 翌日、朝の魔法の練習の時間になると、いつも通りの基礎練習をした後、ママから攻撃魔法を教えて貰う事になった。


「それじゃあ、始めるわよ」

「はい!」


 私は攻撃魔法の習得の為、気合を入れるのだった。

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