休息の日①
ケレバンの街の中でも程々の宿に部屋を借りた私達は、ひとまず休息とする事にした。
部屋割りは私とアリス、ミーシャとルノアが2人部屋、ミレイとティーダはそれぞれ1人部屋だ。
荷を下ろし食堂に集まった私達は食事をしながら今後について話し合う。
「では、明日にでもカラード氏に面会を求める書状をお届けしておきます」
「ええ、任せるわ」
さて、そこはミレイに任せるとして、面会までの時間に何をするかだ。
普通の街ならば観光でもしていれば良いのだが、このケレバンの街はあまり観光には向いていない。
いや、ある意味観光地なのだが、アリスやルノア達の教育上、よろしくない観光地だ。
まぁ、全てが如何わしい店と言うわけではない。
そう言った店は街の中央部に集中しており、防壁に近い街の外側にはごく普通の食堂や冒険者向けの道具屋、各ギルドの支所なども存在している。
明日は市場調査を兼ねてその辺りを探索してみるのも良いかもしれない。
「明日は店を見て歩いてみるけど皆んなはどうする?」
「アリスはママといっしょ!」
「あ、私もご一緒します」
「では私もエリー様達と」
ふむ、予想通りアリス、ルノア、ミーシャは私と来る様ね。
「私は予定の調整をいたします」
ミレイはアポイント取りなどの雑務を任せる事になるか。
「私は……」
「ティーダは大丈夫よ」
「ちょ!聞いてくれても良いじゃないッスか!」
ティーダはカジノだろう。
もしくは酒場だ。
「羽目を外し過ぎたらダメよ」
「わ、分かってるッスよ、エリーさん達に迷惑は掛けないッス」
それからは旅の疲れもあり、食後は早々に休む事にした。
翌日、朝食の後、私はアリス、ルノア、ミーシャを連れて宿を出た。
ミレイはまだ宿に残っており、ティーダは早々に出て行った。
「皆、手を出して」
私は懐から取り出した小袋を3人へ手渡した。
中身は小銀貨が10枚ずつ入っている。
子供のお小遣いには少々高額だが、彼女達の将来を考えると、この程度の金額は使い慣れているべきだ。
「この街に居る間のお小遣いよ。好きな物を買いなさい」
「ありがとうございます」
「ありがとうございます、エリー様」
「ありがとう、ママ?」
アリスはまだお金の使い方をキチンと覚えていない。
知識としては教えているが、まだ実際に自分でお金を払って買い物をした事が無いのだ。
この機会にその辺りも教えておきたいところだ。
それからいくつかの店を回った。
私は性分なのか、つい商品の値段や質などを見てしまう。
ダメね。
ワーカホリックかしら?
アリス達は3人で楽しそうに小物を見て回っている。
「ママ〜」
アリスが私を呼びながら駆けてくる。
「あら、可愛いわね」
アリスの輝く様な金髪は一房取り上げられて赤いリボンが結ばれていた。
見ると最近伸びて来てから三つ編みにしていたルノアの髪と、ミーシャの尻尾にも同じリボンが結ばれていた。
「エリー会長、どうですか?3人でお揃いのリボンを買ったんです」
「私は結べる程髪が長く無いので尻尾に……」
「皆似合っているわ」
嬉しそうにお互いのリボンを見合う3人を見て、私も自然と笑みが溢れた。
それから次の店ではルノアが両親へのお土産を悩み、冒険者向けの武具屋でミーシャが真剣に短剣を品定めし、露天商ではアリスの為にルノアが木彫り人形を値切ったりして、街を見て回った。
そして日が傾き始める頃に、宿へと帰って来ていた。
「お帰りなさいませ」
「ただいま、そっちはどうだった?」
「はい、3日後の昼過ぎに面会出来る事になりました」
「そう、思ったよりも早いわね」
「そうですね。最低でも7日は待つ事になると思っていましたから」
アリスがルノア達の部屋に行っている間に、ミレイと商談について話し合うのだった。
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(・ω・)ノシ




