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⑵『格言狂い』・・・或る阿呆の一生の狂い
⑵『格言狂い』
・・・或る阿呆の一生の狂い
㈠
自分は、芥川龍之介の、或る阿呆の一生を、熟読していた。そして、それに影響を受けていたのである。まさに、阿呆になるには、事足らなかった訳である。読んで読んで読みまくって、そうして、自分の脳にさえも、支障をきたす程に、或る阿呆の一生狂いであった。
㈡
人生、何を格言として読むかは、自由である。しかし、人生の指標となる、格言を頼りにする時、ゲーテは見本としては最適だが、芥川の或る阿呆の一生だけは、格言にしてはならない。まさに、阿呆となって、人生おかしくなってしまうの、狂いである。
㈢
自殺した小説家の格言は、なるべく避けた方が良いのは、明瞭である。何が阿呆だ、それを自分で教訓にしたら、自分まで阿呆になるはずだ。こういう作品もあるんだな、くらいの狂いで済ませば、それはそれで、読書として自然だが、躍起になって、或る阿呆の一生を格言として見習うこと、それだけは、避けてほしい。