プロローグ〜村での生活〜
テスト終わったー!!!
投稿遅れてすみませんm(。>__<。)m
次はもう少し早く出せるかも……?
━━━━ねえ、師匠
━━━━どうした?
━━━━どうして師匠は街に降りないの?
━━━━……なぜそんなことを聞く?
━━━━だって■■■が、昔ユイはすごく偉い人だっ
たって言ってたらから
━━━━……そんな時期もあったが俺は別に偉くない
━━━━そうなの?
━━━━ああ…立場なら多少上の方だったが英雄の器ではなかった
━━━━それに比べてレオ、お前には器が、人を導く器がある
━━━━だから、俺は─────………
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───チュンチュン
……ん?んーー
「っぁーっふぁ〜」
昨日遅くまで起きていたからまだ眠いが、なるほど
「これが例の朝チュンか…」
俺はそんな馬鹿なことを口にしながら体勢を起こす。
「今は……朝か。まだ日は出てないな……」
変な夢を見たな…内容はほとんど覚えていないが何か凄く心地いい夢だった気がする…
「っと、そんなことより井戸の水を汲んでこないと」
そう、俺は朝の井戸汲みを毎日している。
正直、俺は夜一人でやりたいことが沢山あるためやりたくないんだが、これに関してはしょうがない。
早めに済ませて家の皆が起きるまでに終わらせるしかないしな。
「急ごう」
そう言って俺は家を出た。
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しばらくして、大きめの桶を持って井戸の前まで来た俺は、いつもここに来るとやってくるアイツがいないことに気づき、周りを見渡す。
「いつもはこのくらいからいるんだが…」
───ガサッガサガサ
そんなことを考えていたら近くの草むらが不自然に揺れていた。
俺はやっと来たかと思い、いつも通り声をかけた。
「おーい、そこにいるのかー?」
すると、何かが勢いよく飛び出してきた。
まるでオオカミのようなそれは
「ゥワオォォン!」
その勢いのまま俺に襲いかかる───
「うわっ!と、おーよしよしおはようギル」
事はなく、甘えるように俺に頭を押し付けてきた。
そんなオオカミモドキ、もといギルを俺は撫でながら頬を緩める。
これを他人が見たら子どもがオオカミと戯れているただただホンワカする様な絵面になっていることだろう。まあ実際そうなのだが。
しかし、俺は本来の目的である井戸水を汲んでくることを思い出し、すぐに井戸の前まで行って水を桶の中にたっぷり入れ、ギルに股がった。
そして、ギルに一声かけて
「今日もよろしくな」
「ワオオン!」
俺を乗せたギルが走り出した。
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しばらくして、村が見えてきた。
村のみんなにはギルの事を話していないため、ギルは村の中には入れない。
俺としてはギルが居ると楽だし、居てくれた方がいいんだが、ギルドに知られて討伐隊でも組まれたらたまったもんじゃない。
「ごめんな。今日もここまでしか連れて行けないんだ」
「ウオォン…」
可哀想ではあるがしょうがない。
そのうち俺が大人になったら全力で養い続けると誓うからもう少し待って欲しい。
「じゃあね」
そう声をかけ、俺はギルを残して村に向かっていった。
「ゥワオオォォォォン!!」
「バレちゃうから!村の近くでは吠えないでお願い!!」
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ギルが森に帰るのをこっそりと見守った俺はその後、歩いて村に向かい、村の前まで着いた。
そして水の入った大きな桶を持って村の中に入った。
すると、テスおばあさんがいつものように声をかけてきた。
「おお!ユイちゃん、おはよう。今日も井戸まで行ってたのかい?偉いねぇ〜」
「おはようございます!テスおばあさんは今日、腰の調子は大丈夫ですか?」
「はっはっは!あたしはまだ若いヤツらに負けてないよ!」
嘘つけ
「ははは…そうですね。あ、そろそろ行かないといけないので、失礼します」
「おーそうだね、行ってきな」
そう言ってテスおばあさんの横を通る。
辺境にあるこの村は仲間意識がとても強い。
そのため争い事などほとんどない。
前世のような足の引っ張り合いなどもほぼ無く、平和だと改めて感じる。
そんな年寄りのようなことを考えつつ、先を急いだ。
他にも何人かの村の人達と会ったが、挨拶をし、少し話をするだけで特に何事もなく家の前まで着いた。
そして家の前に桶を置き、家の扉を開けようとした時、
「お帰り〜!」「お帰り」
いきなり扉が開き、銀髪美女が抱きついてきた。
そして後ろには銀髪美男が笑顔を浮かべて立っていた。
そんな突然のことに俺は動揺することなく
「っんもぅ…いきなりはやめてって言ってるでしょ…ただいま」
いつも通りの返答を二人にしたのだった。
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あの後、桶を例の美男に預け、一旦自分の部屋に戻った。
そして、少し時間が出来た俺はベットに座りゆっくりと魔力を循環させていった。
ここで多分、さっきから何が何だか分からない人もいると思うので自己紹介も交えながら少し話そう。
俺の名前はユイ。実はこの世界で生まれるまでは『カイリ』という名で過ごしていた。
性別は女だが、前世?では男だった。
おーいちょっと待て、俺はそんな性癖はないからな?
勝手にこの身体になったんだからな!?
まあそんなことはいいんだが。
ちなみに一人の時や心の中での一人称は俺だが、皆の前で僕と言うようにしている。
いや、だって今更私なんて言えないけど流石に俺とは言いづらいしさ。結構これに落ち着いたよね。
さっきの銀髪美女は俺の母親だ。名前はユナという。
すごく美人で、正直前世でみたどんなトップモデルよりも可愛いと俺は思う。ちょっとおっちょこちょいというか、天然ボケが入っているというか……まあ騒がしい人だ。
もう一人の銀髪美男は父親である。名前はリオという。
外見は爽やかイケメンだ。こっちもトップモデルが素足で逃げ出すレベルのイケメンである。ふざけんな。
性格はユナと真逆で、優しいしっかり者である。なんというかいつもユナの手網を握っていてすごく静かだが、優しい笑みを浮かべてユナや、俺とやり取りしてるところを見ると、根っからこんな性格なんだろうな、と思わせてくる。
そしてこの二人は、というかこの村の夫婦はものすごく若い。
多分この世界では結婚年齢の制限がないからなんだろうが、それでも前世の俺より年下の人がほとんど結婚していると考えると少し悲しくなる。
まあ、そんな2人から生まれてきたこの『ユイ』の身体は客観的に見て絶世の美女という言葉すら生ぬるいと感じるレベルで可愛い。
俺自身、初めて鏡で自分の顔を見た時は普通に惚れた。
まあその後我に返って赤面したのはご愛嬌。
それ以外はってそもそもこの時点で普通では無いんだがごく普通、という訳でも無い。
まず、俺は先天性魔法が使える。
先天性魔法とは?となると思うのだが、その前に魔法の説明をしよう。
魔法とは、前の世界にはなかった『魔素』、通称マナと呼ばれるよく分からん物質?を魂の根源であるアストラル体で変換し、超常現象として外部に顕現させることを言う。多分。
また、魔素をアストラル体で変換するのには多少時間がかかり、一般的にはアストラル体で変換した超エネルギー、通称『魔力』を、魂を受け皿として溜めておき、使う時に放出するらしい。
いや、待って欲しい。曖昧なのはわかってるが、少なくとも一般的に出回っている本に魔素が何かは書いていなかったのだ。
だから、この世界で自分の使ってきた感覚と、一般的に行き渡っている本を漁りかき集めた微量の知識だけでここまで説明したことを褒めて欲しい。
多分この世界の人間は魔法や魔力が当たり前にある為、そんなことを一々気にしないのだと思う。
だからこんな事の情報が全くないのだ。
いや、もしかしたら都市部に行けばあるかもしれないが、こんな辺境でわかったのはこのくらいだ。
そんな魔法にはいくつかの種類がある。
その一番大きな括りに例の『先天性魔法』、別名固有魔法と『後天性魔法』、別名属性魔法というものがある。
魔法は基本的に後天的に覚えるものだが、ごく稀に先天的に使える人がおり、その人たちが使う魔法を先天性魔法、後天的に覚えた魔法を後天性魔法という。
後天性魔法と先天性魔法では、圧倒的に先天性魔法が少なく、数えられる程しかいないらしい。
そして、先天性魔法の方が生まれついたものであるため威力や、世界に及ぼせる影響力が強い。しかも、個人差がある為、なかなか強弱がハッキリとしていない。しかし、先天性魔法が使える人はアストラル体での魔力変換が偏っているため、後天性魔法が使えない。
後天性魔法は、先天性魔法より威力や影響力は弱いが、いくつかの属性があり多様性がある。
しかし、後天性魔法も最上位までいくと並の先天性魔法より威力が出る。その分めっちゃ魔力を使うが。
そして、威力の強弱がつけやすく私生活で使ってる人もいる。
そんな俺は先天性魔法を使えるのだが、普通ひとつしか保持出来ない先天性魔法を俺は無数に保持している。
この時点で大分おかしいのだが、今はほとんどの魔法を使う事が出来ない。しかもいくつあるかも分からないのだ。
理由は単純に魂の器がまだ小さいため、魔力が必要量までたまらないのだ。
今使えるのは2つで、『転移』と『空間固定』だ。
転移はその名の通り瞬間的に移動する魔法だ。
元々半径十メートルの単発での転移しかできなかったが、今では半径百メートルの連続転移ができるようになった。しかも、これはまだ伸びる気がする。
空間固定は存在をその場に縫い付けるように固定する魔法だ。ちなみにこれは生物以外にも応用することが出来る。
これも元々体の一部分の固定しか出来なかったが、今は十ほどの個体の固定ができるようになった。これもまだ伸びそうではある。
それとこの前、アンデットと戦ってわかったのだが、何故か普通の物理攻撃が効かないはずの精神体に生身の攻撃があたるのだ。
これに関してはマジでわからん。
なんか最初に透明のやつが飛んできて、癖で普通に切りつけたらなんか真っ二つになったから。
その後殴りつけたら飛んで行ったし。
他にも色々あるのだが、まあ普通ではないよね。
だって普通だったら幾つも固有魔法使えないもんね。
「ユイ、ご飯できたよ〜!」
そんなことを考えていたら母さんの呼ぶ声が聞こえてきた。
俺はすぐに魔力の循環をやめ、ベットから降りた。
そして
「今行くよー!」
そう言って俺はすぐに階段を駆けていった。
やばぁい…
この話でプロローグ最後にしようと思ったのに、設定書いたら長くなってしまった…
次回でプロローグは最後です(多分)
設定や、文章に何か矛盾や気になったところがあれば報告お願いしますm(_ _)m