プロローグ〜13年後〜
やばい…
文章を考えるの難しい……
戦闘シーンとか大丈夫かな…?
何か気になる点があったらじゃんじゃん言ってください。
王国ティルテノ。
そこはこの世界における人族国家の中で最も大きい大国である。
王国には人族最大の国家と言うだけあって辺境に相当な数の村がある。
無数にある村の中で、街と直接繋がっている、云わば中枢地と呼ばれる規模の大きい村があった。
そんな中枢地の一つにフォルト村という少し特殊な村が存在する。
何故フォルト村が特殊か。
それはフォルト村が街と直接繋がっている中枢地でありながらそこから繋がっている村が無いのである。
あるのは昔街だった廃れた廃墟がぽつんとあるだけだった。
かつて栄えていたその街は、今では瘴気に包まれており、一般人が少し近付くだけで瘴気にあてられ、目眩や吐き気を催し、最悪死に至る。
そして、街の中に入ると下位アンデットであるゾンビやスケルトン、中位アンデットである食屍鬼やワイトなどが徘徊していて、噂では上位アンデットであるリッチすらも居るらしく、一種のダンジョンとなっているのだ。
フォルト村は、かつて栄えていたその廃墟との宿場村だったのである。
しかし、今ではその様な姿はなく廃墟からアンデットが漏れださないよう監視する役目を担っている。
そのため、どこか物々しい雰囲気が漂っているのだ。
しかし、そんなフォルト村で最近変化が起きている。
ここ100年近くこの地を最前線とし、アンデットの討伐を続けたにもかかわらず、発生するアンデッドの量は変わらなかったのだが、何故かここ最近で廃墟の中から出てくるアンデットの量がぐんと下がっているのだ。
これをただの偶然と決めつける程、王国の上層部は無能ばかりではなく、すぐさま調査団を送った。
すると報告で街中に真新しい戦闘のあとがあることが分かり、ゾンビやスケルトン、食屍鬼、そしてなんとリッチやデュラハンなどの上位アンデットの亡骸までころがっていたとの報告が上がった。
これには誰もが驚愕し、様々な噂が広まった。
ある者曰く、それは伝説の聖剣使いが討伐した。
ある者曰く、それは剣の達人が、自身の剣の腕の確認に起こした。
ある者曰く、そこで伝説のアンデッド、吸血鬼が生まれた、など。
その後何度も調査を行ったが、戦闘のあとはあったものの、肝心の戦闘をした張本人の情報は何も得ることが出来なかったのだ。
そのため、まだ誰も知らない。
大量のアンデットを人知れず討伐したものが未だ13歳の少女であるということを。
そして、そんな少女がこの世界の今後の命運を握ってるということを──────
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場所は辺境のドルセイン領の郊外にあるコヨル村。
そこは何処にでもあるごく普通の村である。
そう、村自体には特別な血筋があるわけでもなく、何の変哲もない村であった。
そんなごく普通の村にある少女が誕生する。
その少女は、多少落ち着いては居るものの何処にでもいるただの子供と、周りからは思われていた。
しかし、そんな少女にはいくつかの秘密があった。
一つは前世の記憶があるということ。
そしてもうひとつは
いくつかの先天的な魔法が使えるということ。
そんな訳あり少女は、今日も魔法を試すために立ち入り禁止の区域の奥へと消えていく……
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通称『魔獣の巣窟』
そこは魔物の枠組みを超えた魔獣のみ生息している森林である。
一般的に冒険者ランクB以上でしか対処することが出来ないとされる魔獣。
そんな魔獣が森の至る所にいると言われている魔獣の巣窟は、その危険性から冒険者ランクA以下の立入りを禁止する『特別指定危険区域』の一つとなっている。
そんな危険な場所にある少女が目をつけてしまった。
命知らずのその少女は大した準備もせずに一人で森の奥に消えていった。
『楽しみだ』という声と一緒に
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魔獣の巣窟でほんの一片ではあるがそこをテリトリーとしているケルベロス。
他の森などで一体でも発見された場合即座に討伐隊が組まれるレベルの魔獣ではあるが、魔獣の巣窟ではそんなケルベロスですら森の下層でテリトリーを作るので精一杯なのである。
そんなケルベロス中の一匹が自分たちのテリトリーに入ってきた人間の存在を認識した。
基本的にケルベロスレベルの魔獣になってくると多少の思考力が備わってきて厄介なのだが、そのケルベロスはまだ若く、侵入者の排除という野生本能に忠実に従った。
普通ならなんの問題もないのだが、ここまで無傷で入ってくる人間が普通な訳もなく、しかしそんなことも判断の出来なかったケルベロスは正面から堂々と襲いかかった。
「ガアアァァァ!!」
相手はこちらに振り返らない。
取った!
そう確信した瞬間、人間がその場から消えた。
ケルベロスは咄嗟に体勢を低くし、辺りを見渡した。
しかし肝心の人間が見当たらない。
やつはどこに
───刹那、視界が下がる。
何故、と考えるよりも先に違和感を感じた。
足が動かないのだ。
意識すると、前足を一本持っていかれてることに気づいた。
たがそこは腐っても魔獣、すぐさま再生が開始される。
しかし、いつ攻撃を受けたのか分からず、ケルベロスは動揺していた。
そして、これはヤバイと、本能で感じ取ったケルベロスは、すぐさま遠吠えで仲間を呼んだ。
───次の瞬間、ケルベロスの首は切断され、首は空を見上げていた。
そして「んー探す手間が省けるわ〜」という人間の気の抜けた言葉を最後に、意識が暗闇に落ちていった。
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木々に囲まれる中、少女ユイはただひたすらに向かってくるとてつもなくデカい犬を、まるで作業のように、しかし、よく見ると一匹一匹切る場所や力の入れ方を変えて切り伏せていった。
一連の流れを微妙に変えておこなう。
そんな作業みたいなことを繰り返していたら、いつの間にか襲いかかってくるものは居なくなり、周りに大量の死体がころがっていた。
血がまるで池のように溜まった生々しいそこで、まあ、まだ奥には進めるかと、判断したユイは
「まあぼちぼち進むか」
と、一言残しその場を去った。
そして、しばらくたって次に襲いかかってきた魔獣は、巨大な蛇系の魔獣『バジリスク』
いつもはもう少し深い場所に生息している魔獣だが、ケルベロスの血の匂いに誘われ出てきたのである。
無論、ケルベロスよりも深い場所に生息しているだけあって、単体のその強さはケルベロスとは比較にならない。
そんなバジリスクは皮膚、牙、尻尾など、至る所に猛毒を持っていて、毒の強さはかつてバジリスクが死んだ際に居座っていた森が、死んだ後の毒で生き物の住めない不浄の土地に変わったという言い伝えがあるほど。
もちろんそんなことを知らないユイは、一瞬で背後に移動し、剣を一閃した。
しかし、バジリスクは反応することこそ出来なかったが、咄嗟に皮膚から毒液を大量に分泌し、毒で剣を溶かすことで攻撃を回避した。
「ッ!!」『ッ!?』
バジリスクは背後にいつ移動されたかは分からなかったが冷静に、巨大な尻尾を小さなユイに向かって叩きつけた。
巨大な尻尾での攻撃は、周りの木をなぎ倒し、地面を陥没させる。
「嘘ぉ!?」
これにはさすがのユイも驚き一旦距離を取った。
剣が使い物にならなくなったユイは、しかし堪えた様子もなく
「皮膚から強力な毒や酸が流れてんのか…面倒な。だが、ネタが割れればこっちのもんだ」
そう言いながら地面に落ちてる木の棒を拾い
「知ってるか?どんなに切れ味がなく耐久力もない木の棒でもな、魔力をしっかりと均等に流せば立派な武器になるんだ。覚えてろ」
一閃した。
気付いた時には、バジリスクの体が縦に真っ二つになって即死していた。
そんな達人と呼ばれる者たちでも難しい芸当を難なくこなしたユイは
「ふぅー今日はもういいか。代わりの剣探しておかないとな…」
という言葉を残して闇の中に消えていった。
次も多少っていうか結構遅れそうです。
申し訳ありません。