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13.守りたい

更新毎度遅れてしまいすみませんー!!

ブクマつけてくださる方本当にありがとうございます✨

※途中からクライブ視点です。

 



 クライブと東屋でお菓子を食べようとしていたところ、遠くから何故か鬼の形相でセリアが走ってきて私たちの目の前に来ると一喝。


「シノ様っ!!こんな雪が積もってる中で何をしてらっしゃるんですか!?クライブ様もどうして止めずに一緒になって食べようとしてるんです!馬鹿なんですか、シノ様とちゃんと顔を合わせて話せるのが嬉しいからって頭が花畑になってるんですか!」


「…ほんと御尤もな意見なんだけど、最後の一言は勘弁して欲しかったぞ…」


 クライブはセリアの言葉に反省の色を見せながら、若干気まづそうにちらりと私を見た。


 そうだ、クライブが怒られるのはとばっちりである。私が誘ったからわざわざ一緒にいてくれたのに、そりゃなんで俺が叱られなきゃなのかを目で訴えてくる訳だ。

 大体稽古終わったばかりで身体が火照っているからといって、周りに雪が積もっている東屋に来た私が原因なのである。


「違うよセリア!私が稽古終わりだったから身体を冷やそうと思ってここに来て、それでクライブが気を利かせてお菓子持ってきてくれて、だからクライブは悪くないんだ。ごめんなさい…」


 私が謝るとセリアは溜息をつきながら、クライブの方を向いた。


「…事情は分かりました。ですがクライブ様風邪を引くから中に入ろう等とは言えないものですか?」


「いやぁ俺も稽古終わりに外で涼んでるから気持ちが分かるなと」


「はぁ…まだまだ子供ですね…」


 セリアは再度溜息をつくと中に入ってからお菓子を食べるよう私たちに促した。

 個人的にはもう少しだけ涼みたいところだったがセリアの言う通り風邪を引いたら大変なので大人しく中に入ることにした。

 私が席から立ち上がると、クライブが口を開いた。


「シノ、先に中に入ってろ」


「え、一緒に行かないの?」


「大丈夫。すぐ行くから」


 不思議に思い聞き返したが、なんでかは話す気がないらしい。

 セリアに用があるのだろうか。

 気になるところだが、後で聞けばいいかととりあえずその場を後にした。




 ■■■■■■■■■■■■




 シノが中に入ったのを確認するとクライブはすぐ口を開いた。


「セリア、さっきの言葉はまじでやめてくれ…!」


「あー、シノ様と顔を合わせて話せるのが嬉しいってやつですか?図星じゃないですか、最近ずっとシノ様が冷たくてしょんぼりしてたんですから」


 くすくすとセリアが意地悪気に笑った。

 ほんと嫌なやつだとクライブは思う。

 好きな人には弱みを見せたくない男のプライドというものをなんだと思っているのだ。


「俺が必死で平気さを取り繕ってるのにお前はっ…」


「大丈夫ですよ。私がすこーし何かを言ったところで鈍感なあの方は気づかないです。まぁシノ様以外にはバレバレの筒抜けですけどね。シノ様にはド直球で気持ちを伝えねば分からないと思いますけど」


「……それは俺がもっと強くなってからだ。今のままじゃ大事なものを守れない。俺が力不足だったせいでまた泣かせるのはごめんだ」


 眉間に皺を寄せながら俺がそう告げると、セリアの顔も曇った。


「…シノ様は忘れていますよね?」


「あぁ。あの時の光魔法所持者が記憶改変したらしいし、シノ自身もセジウィック学園になんで通わせられるのか不思議に思ってるし。」


「このまま思い出さずにいてくれれば良いのですけど」


「…きっかけなんてそこらじゅうにあるだろうしな。何が引き金になるか分からない。とりあえずあの時と同じ状況には絶対させねぇ」


 そう口に出した後で手に痛みが走った。見ると膝の上で無意識に強く握っていた拳から血が滲み出ている。

 それを見たセリアは困った顔をして、手当をしてからシノ様のところに行きましょうと提案した。

 席を立ち、シノが家の中に入った道とは別の道をセリアに続いて歩いていると、不意にセリアが立ち止まり口を開く。


「あまり背負いすぎないようにしてくださいね。あれはクライブ様のせいでも、もちろんシノ様のせいでもなかったのですから。

 ……重ければ分けてください、非力ですが貴方やシノ様が抱えているものならどんな重荷だとしても一緒に持ちます」


 優しい声音で紡がれた言葉に心が温かくなる。

 ちゃんと分かってくれる人がいることに改めて気付かされ、泣きそうになった。


「…ありがとう」


 たった一言。されど一言。

 それだけでセリアには十分伝わったようだった。


「さっ、シノ様が待ってますよ。早く手当をして行きましょう」




 ■■■■■■■■■■■■




 我が家の広間で2人を待っている間に私は1人悩んでいた。

 何故かというと今月は12月。

 実は2週間後の25日のクリスマスはクライブの誕生日でもあるため、プレゼントは何がいいか悩みに悩み中であったのだ。

 本当は魔剣が出来たら、プレゼントしようと思ってたけれどさすがに今まで誰も作ったことがない武器をたったの半年で作ってくれなんてそんなこと言えない。

 いやほんとハールに無理を言って申し訳ない気持ちが募るばかりだ。

 うーん、何をあげたら喜んでくれるだろうか。

 今日の夜はセリアに聞いてみよう。

 そんなことを思っていると扉をノックする音がし、返事を返せば予想通りセリアとクライブが姿を見せた。


「あ、おかえり。遅かったね、何話してたの?」


 私がそう問いかけながら2人にお茶を入れるため立ち上がろうとすると、私がやりますとセリアにそれを手で制され座らされた。テキパキとした動作で私の分と私の向かいの席に座ったクライブの前にお茶を置く。


「実はクライブ様ったら最近裁縫を始めたらしくて、解れた服の縫い方をちょっとだけ教えてくれって頼まれたんですよ〜」


「は?えっ、ちょ、」


 セリアが笑顔で理由を話してくれたが反対にクライブは焦ったような表情になっている。

 たぶん恥ずかしいんだろうな。

 別に男の人が裁縫したって笑わないのに。というかこの国では男女差別があまりないから気にしなくていいのに。


「大丈夫だよクライブ!むしろ裁縫しようって思えることすごいよ。私なんてちょっと編むのがやっとだし、」


「…いや、そういうことじゃねーんだけど」


 ボソッとクライブが呟くのと同時に私の編むのがやっとという言葉にぷっと吹き出したのはセリアである。


「シノ様の編むは、あの1本の紐みたいなマフラーもどきのことですか?あれは屋敷内で噂になりましたね〜。1本の紐で首をぐるぐる巻にされるからという理由で首絞めマフラーと話題に」


「シノとんでもないもの作ってたんだな」


 クライブにも若干引き気味に一言いわれ、しょんぼりとしてしまう。


「…次は上手くできるもん」


 頬をちょっと膨らませ拗ねた私にクライブが優しく笑いながら口を開いた。


「じゃあ次は俺に作ってくれよ。お前の全力込めてさ」


「…えっ、いいの?首絞めマフラーになるかもしれないよ?出来たとしてもすごく歪な形かもしれないよ?」


「シノが俺のために作ってくれたんならなんでも嬉しいけど」


 くっ、なんてイケメンな。

 さすが攻略対象というか妹が好きになっただけあるというか。性格まじでいいよね。

 妹だったら発狂してた気がする。

 といってもあまりに柔らかな優しい顔で笑うから私も顔が赤くなって動揺した。


「ク、クライブがそこまでいうなら私が真心込めて作ってあげようっ!」


「本当か!?やった!すげぇ楽しみにしてる」


 へへっとこれまた嬉しそうに笑うクライブに、これまたKOされた私はとりあえず気持ちを落ち着けるためにお茶を飲んだ。


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