出生の秘密
「おぎゃあ! おぎゃあ!」
無事にクリスティーナがブラピの子供を出産した。
「ありがとう。クリス。俺の子供を産んでくれて。」
「ブラピ。出産祝いを述べる時くらい、クエストはやめてくれない?」
「それは無理。」
どんなときもブラピはクエストを手放せない呪いの様な信念にブレはない。
「アンジ。今日からおまえの名前は、アンジーだ。ワッハッハー!」
生まれた女の子の名前は、アンジーに決まった。
「失礼します。世界を救ったクエストマスターさんのお宅にお子さんが生まれたということで、ハリウッド王国ハサウェイ国王からプレゼントがあります。」
現れたのは、ハサウェイ王の側近ハリソン大臣だった。
「クエストマスター様、貴殿にハリウッド王国の貴族に任命致します。これからは、ブラット家のピットとお名乗りください。」
ブラピは貴族になった。
「やったー! 私たち貴族になったのね! お城に住める! これで生まれた娘の将来も安泰だわ!」
喜ぶクリスティーナ。
「断る。」
しかしブラピは断った。
「何でよ!? いい話じゃない!?」
「ピットって、ダサいじゃないか。ブラピの方がカッコイイ。」
こだわっているのは名前の呼び方だった。
「名前の呼び方なんて、どうでもいいのよ! 名前なんて個人を特定するためだけにあるものなんだから!」
「うぎゃ!? あべし!?」
力でブラピを納得させるクリスティーナ。クエスト90達成者でも、女、子供には勝てない。
「おぎゃあ! おぎゃあ!」
アンジーが生まれた日。ハリウッド修道院の門の前に、赤ちゃんが置いてあった。
「捨て子か。可哀そうに。」
デミ教皇が捨て子を拾って育てようと決めた。
「あれ? 名前かね? ネームプレートが付いている。」
首の所にネームプレートを見た。
「な、なななななななー!?」
デミは名前を見て死にそうなくらい驚いた。
「ルシファー!? なんて不吉な名前なんだ!? まさかルシファー様の子供じゃないだろうね!? こんなネームプレートは捨ててやる!」
そのまさかである。ルシファーは妊娠をして子供を出産してみたけれど、ずっと泣いているのでうるさいので、「そうだ! こういう時こそ、修道院に預ければいいんだ! 私ってば、賢い!」と自分の子供を捨て子にしたのだった。
「育児放棄!? ルシファー様ならやりかねない!?」
その通り。
「今日からお前の名前はマイケルにしよう!」
赤ん坊の名前はマイケルになった。
「おぎゃあ! おぎゃあ!」
「お腹が空いたのかね? クリスにこの子も育てさせよう。」
クリスは自分の子供と、ルシファーの子供を育てることになった。
つづく。




