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ハリウッド・クエスト  作者: 渋谷奏
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冥界

「そうか。ルシファーは天界を手に入れたか。」

 冥界。魔界の隣にあり番地違いの様な存在である。

「なら私もルシファーとの約束通りに行動をしないといけないな。」

「本当になさるのですか? あなた。」

 ハーデースの妻ペルセポネーが心配している。

「私も神だ。約束は守らなくてはいけない。冥界も臨戦闘態勢の武装解除だ。」

 ハーデースがルシファーと交わした約束。それは冥界はハーデースにあげるから、天界に手を出すな。それと魔界や冥界の戦闘員を擬人化し、人間と共存させるというものであった。

「人間と魔物が仲良くなれると思いますか?」

「分からない。だが先の魔王のネロは、人間の勇者カトリーヌと結婚して子供をもうけた。魔物と冥界のモノは、魔王の娘クリスティーナには手を出さないというのが無言のルールだ。」

「冥王のくせに義理堅いことで。」

 そんな冥王も好きな妻ペルセポネーであった。

「ヘカテーはいるか?」

「はい。ハーデース様。」

 死の女神ヘカテーが現れる。

「どうだ? 例の件は進んでいるか?」

「はい。言いつけられた通り、人間と魔物を合成して、人型魔物キメラを作成しています。」

 例えると人間が魔物の着ぐるみを着ているような、顔は人間、体は魔物、逆に顔は魔物、体は人間のようなものである。

「しかし、ハーデース様。」

「なんだ?」

「顔がスライムで、体は黒タイツか白タイツ・・・・・・それでもいいのですか?」

「構わん。それがルシファーの要求だ。約束したからには守らなければいけない。」

 ハーデースは責任を全て人間界を治めるルシファーに押し付る。

「それにキメラや擬人化を進めることで、我々の合成する技術が上がるのだ。思わぬ副産物が手に入った。」

「はい。その通りでございます。より強い人間により強い魔物を合成すれば、より強い半人半魔ができます。それは魔王ネロと勇者カトリーヌの子供の様に。オッホホホホ。」

「そうだ。もう強い魂はある。後、必要なのは強い魔物の体だ。クックック。」

 ハーデースとヘカテーは自然に笑いが込み上げてくる。

「まさかルシファーも思うまい。ゼウスとポセイドーンの魂が冥界にあるとは。ワッハッハー!」

 死んだ天空神ゼウスと海王ポセイドーンの魂は冥王ハーデースが手に入れていた。

「天空のハリウッド、海王のハリウッドも私の物だ。今はルシファーに譲ってやろう。私たち冥界の者は不老不死の命だからな。いつまでも待てるのだよ。ワッハッハー!」

 野心を抱くハーデースであった。

 つづく。

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