人へ
「あなたたちには人間になってもらいます。天界の神は私一人で十分です。」
天空神ゼウスを倒したルシファーは順調に手順を踏んでいく。
「私たちに人間になれというのか?」
「面白そう! 私、人間になってみたいと思っていたんです!」
「嫌だ!? なぜ神の俺が人間如き下等生物にならないといけないんだ!?」
ヘーラーと他の神々はルシファーの発言に困惑する。
「なぜ神は暇つぶしに退屈しのぎに人間と人間を争わせるのか? それは神の人数が多すぎて腐敗しているからです。それならば私一人が天界の神になれば、実務が多いので人間で遊んでいる暇はありませんから。」
ルシファーは豊かな神が人間界が平和にならない原因だと悟った。
「私は人間の気持ちが分かるのですよ。皆様方、神に天使に作られ、がんばって神に認められて大天使にはなったけど、たかが天使が神よりも強いのか、と恐怖にかられた神に天界から追放されて堕天使にされた。」
不幸なルシファーの人生である。神の手の平で操られているのだ。人間の様に。
「魔界で魔王様に仕えたはいいが、次期魔王の座に上り詰めたと思ったら、魔王様は人間の勇者と結婚して、後継者の子供まで作ってしまう始末。魔界でも私は魔王の7将軍という大臣職でとどまった。こんな不幸な人生を歩んだら思うでしょ。もしこれが全て神の悪戯というのなら、全て自分で決めることができる、自分自身が神になればいいと。」
ルシファーの決意が固まった瞬間である。
「そして、私の人生で遊んだ、いじめっ子の神たちには消えてもらおうと。歯向かう神は消します。神の権力を捨てて人間として生きるのであれば命だけは助けてあげましょう。私は慈悲深い新たな神になるのです。」
どこで捻くれたのか、ルシファー性格は傲慢になった。
「分かりました。私たちは堕神・堕女神となり、人間界へ行き、人間になりましょう。」
「ヘーテー!? 本気か!?」
「さすが天界の女王、賢明な決断だ。アポローン、アーレス、デーメーテール、ヘルメース、ヘスティア、おまえたちもいいな?」
「・・・分かった。」
「アナスタシア、人間たちを人間界へ送ってきておくれ。」
「はい。」
「エディは天界の警備を。まだ不逞の輩がいるかもしれない。」
「かしこまりました。」
「私は他の神々を人間界に落としてきます。キャッハッハ!」
天界はルシファーのモノになった。
つづく。




