晩餐会
「クエストマスターが到着されました!」
クリスティーナはクエストをするからと、王族の晩餐会を断ったブラピの代わりにハリウッド城の晩餐会にやって来た。
「おおー! 美人だ!」
「まだ少女ではないか!?」
「本当にクエストマスターなのか!?」
王宮はざわめく。あの世界を滅ぼしかけた邪神ルシファーを倒したのが、このような乙女だとは人間たちは知らなかった。
「どうも、どうも。あははは。」
まずクリスティーナは自分がクエストマスターだと思われていることよりも、かつて自分が魔王で人間界を攻撃していたことを人間たちが知ることが怖かった。
「どうぞ、クエストマスター、クリスティーナ様。王様がお待ちです。」
「はい。」
クリスティーナは王様にお目通りする。
「おお! 若い! クエストマスターって!? オッサンじゃなかったのか!?」
現ハリウッド国王ハサウェイ。
「王様って、意外に若いのね。」
これがクリスティーナのハサウェイに対する第一印象だった。
「これは!? ハサウェイと、このクエストマスターのお嬢さんを結婚させれば、我がフォード家は安泰ではないか! キラン!」
現ハリウッド国ハリソン大臣。ハサウェイとハリソンは旧友であり、ハサウェイが国王になった時に、もちろんハリソンも大臣に就任した。
「よく来てくれましたね。クエストマスター、さん。まさか世界を救ったのが、こんなカワイイお嬢さんだとは思いませんでした。」
「そんな、私の方こそ、王様ってオッサンで豚だと思っていました。」
ハサウェイとクリスティーナは運命の出会い的に良い雰囲気を醸し出す。
(カワイイ。花嫁候補の一人にしてもいいかもしれない。)
まだ若く遊び人な王様のハサウェイ。
(クエスト変人のブラピより、王様と結婚して王妃になるのも悪くないわね。)
日々の生活から抜け出したいクリスティーナ。
「こら! ハサウェイ! 何をぼっとしている! せっかくクエストマスターが来てくれたのだ! ダンスでも踊って差し上げなさい!」
「こら! ハリソン! 私は王だぞ! ハサウェイと呼ぶな!」
王と大臣になっても仲の良い二人。
「踊っていただけますか?」
「はい。喜んで。」
ハサウェイがクリスティーナの手を握ろうとした瞬間だった。
「ギャアアアアー!?」
ハリウッド城に突風が吹き、お城を真っ二つにし、ハサウェイ王を吹き飛ばす。
(これは!? 剣圧!?)
「新手の魔物です! 皆さん! 逃げてください!」
もちろん新手の魔物とはブラピのことであった。
つづく。




