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ハリウッド・クエスト  作者: 渋谷奏
7/100

邪魔者

「さあ! ブラピ! 私の軍門に下りなさい! 私に跪いて助けを求めなさい! オッホッホー!」

 エリザベスの策略でハリウッド孤児院の補助金が止められた。

「・・・・・・どうしてブラピは私に助けを求めてこないのよ!?」

 しかしブラピはエリザベスを訪ねては来なかった。

「どうなっているのよ!? セバスチャン!?」

「どうやらハリウッド孤児院は自給自足を行うことにしたようです。」

「自給自足ですって!? そんなことで生きていけるの!? セバスチャン、馬車を用意して、ハリウッド孤児院の様子を見に行くわよ!」

「はい、かしこまりました。」

 こうしてエリザベスはハリウッド孤児院に向けて出発する。


「これが孤児院? 小さくてボロボロね。あ、ブラピ!」

 エリザベスはハリウッド孤児院に着いた。物陰から土を耕しているブラピを見つける。

「カッコイイ! 欲しい! 欲しい! ブラピが欲しい!」

 エリザベス姫はブラピに首ったけだった。恋は盲目である。

「はい、タオル。」

「ありがとう、クリス。」

 クリスティーナが汗をかいているブラピに汗拭きタオルを渡す。

「何よ!? あの女は!? 私のブラピに!? ウキー!? ムカつくー!?」

 エリザベスは、いつもブラピの横にいるクリスティーナの存在を認識した。

「そういえば! あの時も! この時も! あの女がブラピの側にいる!? セバスチャン! あの女はいったい何者なの!?」

「名前はクリスティーナ。ハリウッド孤児院で育った孤児です。」

「孤児!? 汚らしいわね! 死ねばいいのに!」

 人の愛情で見方は変わる。同じ孤児でも、エリザベスがブラピを思うのと、クリスティーナを思う時とまったく感じ方が違う。

「現在は、お嬢様と同じハリウッド高校の新入生です。」

「なんですって!? 孤児の分際で高校に通おうなんて厚かましい! 鬱陶しいから退学にしてやる!」

 王族なら何でも思い通りにできてしまう。

「みんな、ブラピが耕した土に野菜の豆を植えましょうね。」

「は~い!」

 いつも明るくて元気で笑顔で前向きなクリスティーナは孤児院の子供たちから愛される太陽のような存在だった。

「これからは自分で食べる食べ物は自分で作るのよ。」

「おお!」

 エリザベス姫に恨まれているとも知らないクリスティーナは、孤児院の子供たちに楽しそうに種まきを教える。いつも子供たちの世話をしてきたクリスティーナは子供たちから慕われていた。

「見つけた。見つけたわ! 私とブラピの愛を邪魔する邪魔者! 邪魔者は取り除かないとね! ケッケッケ!」

 エリザベスはクリスティーナをいじめて遊ぶことに決めた。

 つづく。

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