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ハリウッド・クエスト  作者: 渋谷奏
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誘拐

「キャアアアアアアー! 誰か助けて!?」

 エリザベス姫が何者達かに襲われて、連れ去られようとしていた。

「ウワアアアアア!?」

「お、お嬢様・・・・・・。」

 姫の護衛兵、執事のセバスチャン、そして剣術大会で優勝した剣士トムも、あっという間に倒されてしまった。

「あれは王族の姫!?」

「そうなのか?」

 姫が誘拐されようとしている現場にブラピとクリスティーナは出くわしてしまった。

「このままじゃ連れ去られちゃう!? 助けなきゃ!」

「俺が時間を稼ぐから、おまえは大人を呼んで来い。」

「分かった。」

 クリスティーナは援軍を呼びに駆けて去って行く。

「こっちに来るんだ! 抵抗するなら痛い目に合わせるぞ!」

「キャア!? やめて!? 殴らないで!?」

 誘拐犯が姫を無理やり連れていこうとする。

「ストップ!」

 そこにブラピが現れる。

(どうしてブラピが!? なんでもいい!)

「助けて! 誘拐される!」

「姫、直ぐに助けます。」

 ブラピは剣を構える。

「なんだ? 子供は引っ込んでいろ。邪魔するなら子供でも容赦しないぞ。」

「ちょうど剣術大会に出れなくてストレスが溜まっていたんだ。相手してやるよ。こい。」

 ブラピと誘拐犯たちの戦いが始まる。

「邪魔したことを後悔するんだな! 死ね!」

 誘拐犯の剣士がブラピに斬りかかる。

「フン!」

 ブラピは誘拐犯の剣を避けて、カウンターで一撃を与えて誘拐犯を倒してしまう。

「なに!? なんだと!?」

「バカな大人の正規の剣士が、学生如きに負けるというのか!?」

 誘拐犯たちは学生のブラピの強さに驚く。

(なに!? あれ!? あいつ強い!?)

 エリザベスもブラピの予想外の強さに驚く。剣術大会に優勝したトムが負けた誘拐犯よりブラピの方が強かった。

「かかってこないなら、こっちからいくぞ。」

その時、誘拐犯のリーダーのような男が前に出る。

「いいだろう。私が相手をしてやろう。精々、楽しませてくれよ?」

「能書きはいい。かかって来いよ!」

 ブラピと誘拐犯は剣と剣を交わらせて打ち合う。

「学生の割にはやるな。だが、所詮は子供だ。でやー!」

 ブラピの剣が吹き飛ばされてしまう。

「しまった!?」

 絶体絶命のブラピ。

「これで終わりだ。」

 誘拐犯がブラピにとどめをさそうと剣を振りあげる。

「姫様! エリザベス様!」

 その時、クリスティーナが援軍を連れて戻ってきた。

「命拾いしたな。坊や。私の名はジュード。縁があったらまた会おう。退くぞ!」

 誘拐犯たちは姫を置いて撤退していった。

 つづく。

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