隠し手
「ジュード! よくも私を殺そうとしたな!」
ハリウッド城でロウ家のジュードとアン家のハサウェイが対峙している。
「何しに来た? 死にぞこないが。」
「偉く態度が傲慢だな。悪行を知られて本性が出たな。」
「バレたんなら隠す必要はないだろう。私は、この国の王になるのだ!」
ジュードの狙いはハリウッド王になることだった。
「残念だが、それは無理だ。今や全国民が、おまえが悪魔と契約して、ウイリアムス王を毒殺したことは知っているからな。」
「それはどうかな?」
「なに?」
「ハリウッドの国民は、ウイリアムス王の悪政に日々の生活を苦しんでいた。高い税金、年貢の取り立て、餓死して死んでいく家族。」
亡きウイリアムス王は自己中の自分さえよければ他者が泣いても構わない最低野郎だった。
「そ、それは・・・・・・。」
ハサウェイもジュードのいうことを否定できなかった。
「私には聞こえてくる。「ジュード! よくぞ! 悪王を討ってくれた!」「あなたこそ国民の救世主だ!」とな。」
ジュードのいうことは強ち嘘ではなかった。
「どうだ? ハサウェイ。私と組まないか?」
「なんだと!?」
「これから悪魔とどちらが世界を支配するかの戦いが始まる。おまえもハリウッド持ちなら、私と共に人間のために戦え。」
ジュードはハサウェイに共闘を申し込む。
「・・・・・・それは無理だ。」
ハサウェイは少し考えてからジュードの提案を否定する。
「もし、おまえが正規の手続きで王に選ばれていたら、ジュード、おまえの提案を人類のために受け入れただろう。だが、悪魔と手を組み、国民を騙して手に入れたいまのおまえと一緒に戦うことはできない!」
「そうか。わかった。おまえも王様になりたいのだな?」
「はあ? なぜ、そうなる!?」
「人間とは欲の塊だ。おまえは、その手に世界を欲しているのだ! だから私に従わないのだ! 私を倒して、自分が王になるつもりだろう!」
権力に心を奪われた人間の行く末である。
「この分からず屋!」
漆黒の騎士ジュードと水神の騎士ジュードの戦いが始まる。互いにハリウッド持ちとして戦闘力は五分と五分に思われた。
「がんばれ、ハサウェイ。」
柱の陰からフォード家のハリソンが二人の戦いを覗いている。
「いいか、ハサウェイ。隠し手っていうのは、最後まで取っておくものなんだぜ。」
「隠し手? そんなものが、おまえにあるというのか?」
「あるんだな。とっておきの隠し手が。」
余裕をみせるジュードの隠し手とは一体何なのだろうか。
つづく。




