欲しい物
「気圧されるだと!? 同じハリウッド装備なのに!?」
ヒューはジョニーの強さの前に戦いの中でパワー負けする。
「分かるまい。ヒュー、おまえには。」
「なんだと!?」
「確かに俺たちは孤児院で貧しく、富裕層に馬鹿にされながら育った。だが、シスターや孤児院の仲間と笑って楽しく暮らしてきたじゃないか。あの時の幸せな感覚を知っているから、僕は強くなれた。僕は強くいきたいと願ってきたから、今の僕があるんだ。」
ジョニーの強さの源は、貧しくても楽しく暮らしてきた孤児院の思い出だった。
「僕が捨てたものが、おまえの強さになっているというのか!?」
「そうだ。その通りだ。ヒュー、今からでも遅くはない。僕たちに手を貸せ。魔界に行って、孤児院の仲間を助けるんだ。どこか人里離れた所でいい。昔みたいに皆で楽しく暮らそう。」
「ふざけるな! 内気でいつも片隅で一人でいた僕に楽しい思い出なんかある訳ないだろうが! おまえたちみたいなきれい事を言う奴と一緒にいるより、悪魔と一緒にいた方がマシだ!」
「ヒュー。」
ヒューの複雑な心は、ジョニーには分からない彼方にある。
「ワッハッハー! よく言った!」
その時、マモンが上機嫌に笑いだす。
「いいだろう。ヒュー。その黄金のハリウッド装備は、おまえにくれてやる。」
「本当!? いいの!?」
「ああ。本当だ。悪魔は嘘を吐かない。おまえの、その強欲な所が気に入った。」
「やったー! これで僕は黄金の騎士だ! 僕は強さを手に入れたんだ!」
強さが全ての今のヒューには目の前の強さしか見えなかった。
「俺は他に欲しい物を見つけた。」
「欲しい物?」
「そう、俺の新しい欲しい物は、ヒュー、おまえだ。」
「僕?」
「そうだ。おまえが俺のモノになれば、俺は黄金のハリウッド装備も手に入れることができ、俺はおまえを殺さないで済む。そうすれば、魔界で待ってるおまえの仲間も悲しまないで済む。悪い取引じゃないと思うがな。」
ヒューはマモンの悪魔のささやきを少し考えて答えを出す。
「分かった。マモンに従うよ。それが僕の欲しい物を手に入れるためにも良いとおもうから。」
「いいね。その強欲な所が。俺好みだ。さあ、欲しい物は手に入れたし、魔界に帰るとするか。」
「待て! まだ僕との戦いは終わってないぞ!」
ジョニーはマモンとヒューに食い下がる。
「やめておけ! 僕とマモンを同時に相手して、ジョニー、おまえに勝ち目はない。」
「クッ!?」
マモンとヒューは魔界へ帰って行った。
つづく。




