国王、暗殺
「ガオー! ガオー! ガオー!」
口から火を吹く3つ首竜が暴れてハリウッドの城下町は火の海である。
「キャアアアアアアー! 逃げろ!」
一般大衆は蜂の巣を叩かれた蜂のように逃げ出した。
「剣士たちよ! 剣を抜け! 何も恐れるな! これが人間と魔物の戦いの始まりである! 我々の手で人類に勝利をもたらそう!」
ジュードが剣を天にかざし、全兵士たちに号令をかける。
「おお!」
その声に士気を高める兵士たち。
「全員! 突撃!」
「おお!」
巨大な3つ首竜に比べれば蟻のような人間たちの戦いが始まる。
「王様! 早くお逃げください!」
「うむ!? 私がいてこそのハリウッド王国だ! 兵士たちは私のために死ぬまで戦えばいいのだ!」
ハリウッド王国のウイリアムス王が戦う兵士たちを見捨てて、我先にと一番に逃げようとする。
「おい、ウイリアムス。国民を見捨ててどこへ行く?」
その時、逃げているハリウッド国王の前に、黒いフードを被った者が現れる。
「なんだと!? 無礼であるぞ! 私を誰だと心得る! ハリウッド国の王ウイリアムスだぞ!」
「そんなことは知っている。」
「なに!?」
「だから殺しに来たのさ。」
男は黒いフードを脱いで素顔を見せる。
「久しぶりだな。ウイリアムス。」
「お、お、おまえは!? ローバト!?」
なんと現れたのは既に死んだはずのデニーロ家のロバートだった。
「なんだ!? その姿は!? なぜ年をとっていない!?」
ウイリアムスは年を重ね老人の様な容姿であったが、ロバートは若い頃のままの姿をしていた。
「俺はおまえに囮にされて殺された時の姿をしているのさ。」
「あの時は、誰かを犠牲にしなければ人間が滅亡していたんだ!? 許してくれ!? それで恨んで化けて出てきたというのか!?」
どうやら過去の大戦で何やら因縁がある二人。
「おいおい、人を幽霊みたいに言うなよ。俺は死んでないぜ。」
「なに!?」
「俺はあるお方に助けて頂いて、不老不死の命を与えてもらったのだ。ワッハッハー!」
ロバートは永遠の命を手に入れた。
「不老不死!? そんなものあるものか!? あるお方とは何者だ!?」
「今から死ぬ、おまえは知る必要もない。王である、おまえが死ぬことによって、一つにまとまっていたハリウッド王国で権力や領地を巡る争いが起こるぞ。そしてハリウッドは内乱と魔物の攻撃で滅びるのだ! 死ね! ウイリアムス! よくも俺をゴミのように扱ってくれたな!」
「ウギャア!?」
ロバートは剣でウイリアムスの首を刎ねた。こうしてハリウッド王国は王様不在の緊急事態を迎えるのであった。
つづく。




