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ハリウッド・クエスト  作者: 渋谷奏
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はじまり

 ハリウッド。王国の名前である。普通の中世ヨーロッパ風の異世界ファンタジー物語である。


「ブラピ! 起きなさい!」

 起床時間になっても起きてこないでベッドで二度寝している男がいる。

「うるさいな・・・・・・あと少し寝させてくれ・・・・・・zzz。」

 この往生際の悪い男の名前はブラピ。

「起きろ! 今日から学校があるんだろうが!」

 フライパンを持ってきてバンバンと叩き、最後には布団をはぎ取る女がいる。この面倒見の良い女の名前はクリスティーナ。

「ギャア!? 何をする!?」

「あなたが起きないからでしょ? なんならパジャマも剥ぎ取るわよ!」

「やめろ! クリス! この変態! 痴女!」

「誰が痴女よ!」

 クリスティーナはブラピを追いかけまわす。これが彼らの日課である。彼らはとても仲が良い。そして最近の物語の冒頭は寝坊から始まるのがトレンドらしい。


「あなたたち、今日からハリウッド高校に通うのに、まったく落ち着きがないね。私は何か問題を起こさないか心配だよ。」

 ここはハリウッド孤児院。親のいない子供たちが暮らしている。シスターのデミが朝食を食べながら、ブラピとクリスティーナの心配している。

「私は大丈夫よ。問題はブラピよ。」

「問題ないさ。俺は大丈夫だ。直ぐにハリウッド1の剣士になってみせる。ワッハッハー!」

「どこから、その自信はやって来るのかしら? 疑問だわ。」

「キャッハッハー!」

 孤児院の子供たちもブラピのことをバカにして笑っている。力関係は、日頃の態度の悪さからブラピよりクリスティーナの方が全員に好かれている。

「笑うな! まったく、クソッ。」

 こんな感じだが毎日幸せにブラピたちは笑顔で楽しく暮らしていた。


「クリス。俺がハリウッド1の剣士になったら俺と結婚してくれる?」

 学校への通学の道。ブラピは、いつものようにクリスティーナにプロポーズしている。

「嫌よ。」

 クリスティーナは即座に拒否する。

「じゃあ、どうすれば俺と結婚してくれるんだ? 俺はクリスのことが好きだ。大好きだ。ずっと一緒にいたいんだ。」

 必死にクリスティーナを口説き続けるブラピ。

「そうね。朝、私が起こしに行く前に起きていれば、結婚してあげる。」

 実はクリスティーナもブラピのことが好きだったので条件は緩和された。

「断る。」

「ええー!? なんでー!?」

「俺は低血圧だから朝が弱いんだ。おまえが一番知っているだろう?」

「ブラピのバカ!」

「オーマイガー!?」 

 ハリウッド1の剣士を目指すブラピも大好きな女の左アッパーで吹き飛ばされKOされる。

「あんたなんか知らない!」

 ブラピとクリスティーナはケンカするほど仲が良かった。

 つづく。

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