異世界ならギルマスに会わないとね!
ブックマーク50軒超えと評価150ポイント超えありがとうございます!聡い文章ですが、これからもよろしくお願いします!
「そ、その……鑑定が終わったんですけど……これは私だけじゃあ処理出来ないのでギルドマスターに会ってもらえませんかね?」
お、テンプレキタコレ。
「分かった。案内してくれ」
「は、はい!では、着いて来てください」
受付嬢ちゃんが移動するのでついていく。後ろから化け物だとかチートだとか聞こえたが無視する。
案内された場所はどう説明すればいいのだろうか。校長室的な場所だった。
受付嬢ちゃんがノックをしてから入室する
「失礼します」
「来たか」
どうやら既に連絡は回ってるらしい
ギルドマスターは髭モジャのごついおっさんだった。くっ、ギルドマスターと言えば美人のエルフとかのじゃロリとかじゃないのかよ!そんな事を思っているとエリアから睨まれたので考えを打ち切る。
「突然呼び出して申し訳ない。だが、必要なことなのでね」
「そうですか。それで?なんの用です?」
一応敬語で話す。年上は敬まわないとね
「君が買取を願ったあの魔物達は誰が倒した?」
「いや、俺以外に居ないでしょう」
何を言っているんだこのおっさんは
「いや、そういう訳ではないんだ。君は一人であれらの魔物を討伐したのか?」
「あ、はい。そうですね」
「まじか……」
おっさんが項垂れる。
一体どうしたんだろうか
「どうしたんです?」
「いやな、君の仕出かした事は前代未聞なんだよ。異常と言ってもいい。」
「どういう事だ?」
エリアが聞く。
「冒険者がA、B、C、D、E、Fのランクがあることは聞いているだろう?だけど魔物はSSSランクまで存在するんだ。言ってる事は分かるか?」
「はぁ、」
言おうとしてる事はわかった。つまりおっさんは、今までSランク以上の魔物はソロで討伐されることは無かった。だがしかし、俺がSSSランクの皇龍アルカイドを討伐した事により、扱いに困っているのだろう。まぁ俺はここでFランクでいいです、なんて言わない。男なら最強目指すしかないだろ
「それで俺はどんな感じで扱われるんですかね?」
「それに困っているのだよ。おっと、そういえば君の隣の少女は流石に普通だよな?」
普通じゃないですね。
「エリア、お前って『暴食』のストックある?」
これで無かったら一旦の目標はエリアのランク上げとなるだろう。
「皇龍程では無いが通常種のドラゴンや属性龍ならあるぞ」
おおぅ、まじか。じゃあランク上げとかはしなくていいんだな。
とりあえず伝えとかないとな。
唸っているギルドマスターに話しかける
「あの、ギルドマスター?どうやら普通のドラゴンとか属性龍とか討伐してあるらしいです」
「おー……そうか……こちらから呼び出しておいてすまないが、また一週間後くらいに来てもらえないか?各地のギルドマスターと相談しなくてはならない」
「分かりました。あ、買取はどうなるんですかね?」
「あぁ、そうだった。デュラハン、ヴァンパイア、リッチーなら今すぐに査定出来るのだがドラゴンとなるとこのギルドにある金では足りなくてな。ドラゴンはもう少し待って貰えないか?」
「あ、じゃあそれでお願いします」
「あ、待ってくれ。ステータスを計って貰えないか?これに血を垂らせばステータスが弾き出されるという代物だ」
ステータスプレートを渡される
「あのー、俺ステータスプレート持ってるんですけど。」
おっさんに俺とエリアのステータスプレートを渡す。エリアの物は俺が『生成』でコピーしたやつだ
「何故持ってるかは聞かないでおこう……。どれどれ?」
おっさんがステータスを確認する。
青くしたり白くなったり百面相してるな
ちなみに俺達のステータスを見た受付嬢ちゃんは卒倒した。
「……大罪スキル持ちだとはね。つまり君の隣に居る少女は『暴食』の魔王ということか?封印されたと伝承には載っていたが……君の生成師という職業も聞いたことがない。」
あ、やべ
「俺達の事は詮索するな。もしそれで俺達に害をなそうとしたならおれはこの町、いや、国を潰す。」
「流石に指先一つで町を消し飛ばせるバケモノと対峙するつもりは無い。だが、冒険者になるならこっちのルールには従ってもらうぞ?」
おぉ、このおっさんカッコイイ。威圧を発動してたのにビビらずにちゃんと反論するなんて
「ほう、恩人の威圧を耐えるか。案外普通の人間というのもやるものなのだな」
「ははは……今も吐きそうなのを我慢しいるがな」
「俺は普通の人間として扱って貰えないのねー」
「何を言っておるのだ。恩人が普通の人間だったら余が魔神となっても人間に魔族が滅ぼされるわ」
HAHAHAHAHAと笑い合う
「君達は何をするつもりなんだ?」
「うーん……まぁ、一週間はこの町でゆっくりしていくかな」
「……そうか。問題は起こさないでくれよ?君達なら相手が死ぬ」
「おう、覚えとくわ。んじゃね」
話も終わったらしいので退出する。
冒険者ギルドのロビーに行くとあの緑髪の受付嬢ちゃんとは違う受付嬢ちゃんが俺に何かの袋を渡してきた。
「買取査定が終了しました。Sランク魔物が一体につき30白金貨なので三体のSランク魔物で90白金貨となります。」
この世界の貨幣は
石貨、鉄貨、銅貨、銀貨、金貨、白金貨、黒貨となっている。
順に一円、十円、百円、千円、一万円、十万円、一億円となっている
つまり、俺はいきなり900万円を稼いだという事だ。
だがなんで百万円の貨幣を作らなかった!小銭90枚とか嵩張ってしゃあないわ!しかも一枚一枚が結構でかいので重い。まぁ俺のステータスならば大丈夫なんだけどな!
「あぁ、ありがとう」
「いえ、業務なので」
それでもありがとうと言い残し、外へ出ようとする。が、そうは問屋が卸さないとでも言いたげにハゲマッチョとガリノッポ、チビデブの凹凸トリオが立ち塞がってきた。
「おいよぉ兄ちゃん。俺達ちょっと金に困ってんだわ。だからその金くんねぇか?すぐに渡せば悪い事にはならねぇからよ」
お、なんだか異世界っぽい。だけど一つ違う事は、俺が心配されるんじゃなくて目の前のトリオが「あいつら命知らずなのか?」だとか「あの威圧をくらってないからあんな真似出来るんだろ」だとか「それでもSランク討伐したって聞いてなかったのか?」だとかメチャクチャに言われている事だな。
まぁここは煽っとくか
「ほら、言われてるぞ?尻尾巻いて帰ったらどうだ?ママによちよちしてもらってこいよ」
「クソガキが!俺達を誰が知らねぇのか!?」
「ハゲマッチョとガリノッポとチビデブだろうが」
「舐めてんじゃねぇぞ!いいか!?俺達はBランクパーティの『無翼の堕天使』だぞ!?」
天使の成分ないじゃん。あと厨二病過ぎて鳥肌たつわ
「俺達はたった三人でBランクの魔物を────」
なんだかいきなり説明しだしたぞこいつら。あー……面倒臭いな。もっと殴りかかってきてくれたりしたらワンパンで終わるのに。異世界に行った主人公達があんな傍若無人なのも頷けるわ。これは面倒臭い
「俺がそこで切りかかって────」
「なぁ」
トリオの自慢話を断ち切る
「あと何秒テメェらに時間割かなきゃいけねぇんだ?」
威圧を1%程で解放する
するとたちまち変化する
俺に報酬を渡してくれた受付嬢ちゃん以外がガタガタと身体を震わせ平伏す。中には気絶や失禁をしている奴らもいる。目の前のトリオといえばチビデブが気絶してガリノッポが漏らしてハゲマッチョが喉を掻きむしっている。どうやらあまりもの威圧で呼吸が出来ていないようだ。
やばい。ちょっと面白いかも
これが突然力を手に入れた弊害ですね。これからは自重しよう。
充分脅したら威圧を解く
「それで?Bランクパーティがどうした?」
「ヒィッ!すいません!もうしません!」
ハゲマッチョがガリノッポとチビデブを引っ掴んで走って逃げていく。
「はぁ……」
俺は残った惨状を見て溜息を吐いた
これはずっと書きたかった