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元第三魔王 エリア・レイアルラ

エリアの過去話とちょっとした未来の話です!本編は次回からになると思います!

傲慢をルシファーに、強欲をマモンに修正しました!

昔、むかし

たった一人で闇の底に閉じ込められた少女がいた。


この話は、その少女の物語である。



少女は、今から500年程前に生まれた


名を、エリア・レイアルラと言った


その少女は、辺境の村のごく平凡な家庭に生まれた。一つ、特筆する事があるとしたら、その少女は魔族の子だったという事だろう。


その少女は健やかに育っていった


そして、10歳の誕生日の時。


『エリアちゃん、結果が酷くても落ち込んじゃだめよ?ステータスだけが全てじゃないんだから!』

『分かってるよ、母さん。そんなに心配しなくてもいいから』

『エリアちゃんがそう言うならいいけど……うん。そうね。行ってらっしゃい!』

『うん。行ってきます!』


魔族にはしきたりとして、10歳の誕生日に、ステータスを測るというものがあった


『では、次の者。エリアのレイアルラ!前へ!』


ステータスを測る場所は、大聖堂のような場所であった。魔族に神などいるのか?と思うかも知れないが答えはyesだ。信仰の対象は魔神、というものだが。


『この水晶に手を翳せ』

『はい』


正面にある水晶に手を翳す


その途端、水晶から眩い光が迸り、結果が表示された


=================

名前 エリア・レイアルラ

性別 女

年齢 10

種族 魔族

職業 魔王

Lv.1


HP 150/150

MP 100/100


筋力 40

体力 60

俊敏 80

物耐 50

魔耐 50


スキル


暴食、消化


称号 魔を統べる者 神域への可能性


=================

=================

暴食 どんなものでも喰らい、貯めることが出来る

消化 摂取した物を消費し、ステータスをアップさせる


=================


おおおおおおおおっ!!と、見ていた者が湧く


『なんと!こんな辺境の地から大罪系スキルを持つ者が現れるとは!』

『これで此処も潤う!』

『あの消化というスキルも強力だぞ!』

『え……え?』


少女は戸惑う。「まさか自分が」とでも思っているのであろう


この世界の魔王というのは『憤怒(サタン)』『強欲(マモン)』『怠惰(ベルフェゴール)』『嫉妬(レヴィアタン)』『暴食(ベルゼブブ)』『色欲(アスモデウス)』『傲慢(ルシファー)』という、七つの大罪を冠したスキルを持った魔族の事を指す。


七つの美徳を持つ人族の賢者なんて者も居るのだがそれは置いておく。


『エリア・レイアルラだったかな』

『は、はい』

『二十日後に迎えを寄越すから、首都に行ってくれ』

『え……?そんな突然……』

『すまない。だが、これは大罪系スキルを持った者の義務と言ってもいい事なんだ。二十日後までに、家族と別れを済ませて置いてくれ。ではな』


そう言って男は歩き去っていった


……


『ただいま……』

『どうしたのエリアちゃん?結果が悪かったの?』

『いや……私、魔王だった』

『あら!凄いじゃない!母さん嬉しいわ!』

『だからね……二十日後に首都に行かないといけないんだって』

『え?そうなの……寂しくなるわね。でも、魔王様になれるってことはとても名誉な事なのよ?だから、そんなに悲しい顔しないで?』

『うん……』


そして、二十日という月日はすぐに過ぎた


『お迎えに参りました。「魔王」エリア様』

『じゃあ……行ってきます。母さん』

『いってらっしゃい。エリアちゃん』


馬車に乗せられ、出発する


三時間程揺られたであろうか。

エリアは首都、プトノヴァインに着いた。

そこは、自分達の住んでいた寂れた辺境の村なんかとは違う、煌びやかな町だった


『ふわぁ……凄い……』

『こちらでございます』


燕尾服を着た男に案内され、城のような場所に案内される


『ここは?』

『此処は『傲慢(ルシファー)』の魔王様、アーク様の居城でごさいます。今、この城には貴女様以外の他六名の魔王様方が揃っております』

『えっと……私は何故呼ばれた?のですか?』

『新しい魔王様の信任式、のようなものですかね。その後、領地を与えられそこを統治するように任されると思われます。私のような者にはこれ程しか聞かされておりません。後は魔王の皆様にお聞き下さい』

『はぁ……ありがとうございます』


『ここでございます』


燕尾服の男に案内された先は、円卓が一つあるだけの簡素で、それでいて豪奢な部屋だった


『……来たか』


椅子に座っていた一人の男が声を発する

その場にいた者は、男が四人、自分を合わせ、女が三人。合計七人のみだった


『えっと……』


頭を垂れようとする


『よい、その椅子に掛けろ』

『あ……はい』


椅子に座る


『よし。ならば自己紹介でもするかな。我の名はアーク。『傲慢(ルシファー)』のスキルを持つ者だ』


紫の髪の細マッチョのイケメンだ


『なら次は俺だな。俺の名前はハルファス。『憤怒(サタン)』のスキル持ちだ』


赤い髪の体格のいいイケメンだ


『じゃあ次は妾よぉ。私はへルザ。『色欲(アスモデウス)』の魔王やってるわぁ』


ピンク髪のボンキュボンなお姉さんだ


『では、次は私が。私は『強欲(マモン)』のスキルを持っています。クランスと申します』


水色の髪の華奢なイケメンだ


『じゃあ俺様だな。俺様はカミーオ。『怠惰(ベルフェゴール)』を持ってる』


緑髪の中肉中背のイケメンだ


『……ん。私はオルティス。『嫉妬(レヴィアタン)』だよ』


黒髪ロングの美ロリだ


エリアは、ここで一つ思った。


キャラが濃い!!!!!!!!


『あー……エリア・レイアルラです。『暴食(ベルゼブブ)』を持って……ます』

『よし。全員の紹介が終わったな。ならばエリア。我達はお前を歓迎する。お前には────』


説明された事を纏めるとこうだ。


お前には城と民。領地を与える。そこを治めろ

サポートに三人の側近(デュラハン、ヴァンパイア、リッチー)を寄越す

どんどん周りを支配していき、領地を広げろ

目標は魔族を世界に認めさせる事

魔神を目指せ


ということだった


魔神というのは魔族の最終終着点のようなものだ。条件をクリアすると神域に足を突っ込んだ存在になる事が出来る。数千年に一度生まれればいい方だろう。


なればどんなメリットがあるかって?


神域へと足を踏み入れる存在を排出した種族として魔族の迫害がなくなる

自分の好きなように世界を弄れる

こんなところか。


………………

…………

……

..

.


魔王になってから30年が経った。


忙しい日々というのはすぐに過ぎるものだ。

この数十年の間にとても色々な事があった。


暴食と消化のスキルを活用し、魔王の中でも最強になった。

暴食のお蔭で物理的外傷では早々死ななくなった。

人族に攻められ、家族を殺された。

その復讐に三つ程の人の国を滅亡させた。

信じていた者に裏切られ逃亡された。


そんな経験は少女の精神を変えてしまうには充分だった


魔族の寿命は1000年程なので30年経ってもそれ程見た目は変わっていない。それなのに精神だけが達観した姿はとてもアンバランスだった


『次の満月の夜。余は魔神に昇華出来る。やっと、……やっと念願が成就するんだ』


エリアは、家族が死んでからは力を蓄え、魔神になる為だけに時間を費やした。

それこそ、『周りには目を向けずに』


エリアは気づいていなかった。

最年少で、魔王最強の存在となったことにより、他の魔王から疎まれ、殺意を持たれている事を



そして、満月の夜



エリアは月明かりの元、儀式を行っていた。

自分の魂を七つに分け、力が少なくなった状態で試練をクリアするというものだ。


そしてエリアは力の少なくなったその時を狙われた。

普段は敵わなくとも、単純に力が七分の一になっている時ならば、他六名の魔王が力を合わせれば勝てる。

そうやってエリアは殺された。


だが、死なない。

いや、厳密には死んでいるのだが

暴食(ベルゼブブ)』の特性により、ストックした物を消費して、自動的に復活するのだ。魔神になる為の力が溜まったエリアは『消化』で無駄に消費すること無く、狩った魔物、人間の死体を全て貯めてきた。

その総重量は幾千トンにも及ぶ。


完全に殺しきれないことに気付いた魔王達は、エリアをエリア自身の城へと封印した。御丁寧に、封印が解けないようにと皇龍アルカイドという守護者までつけて。

そして残り六つのエリアの魂は、世界中に飛ばされた





「ふふっ……懐かしい」


少女、エリアは誰に言うでもなく一人ごちる。

どうやら、客観的に自分の過去を思い出す程にはトラウマを克服したようだ


「いきなりどうした?」


少年、柊唯斗が心配して聞いてくる。


「いや、ちょっと懐かしい事を思い出して。……()を連れ出してくれて、ありがとうね」


そう。自分がここに居れるのは隣で並んで歩いている黒と白のツートンカラーの髪色をした少年。唯斗のお蔭である。唯斗は自分を生かしてくれた。自分を守ってくれた。自分を理解してくれた。自分を欲してくれた。自分のトラウマを乗り越えさしてくれた。

唯斗は、()を救ってくれた。

エリアは過去、自分が余りに前に進み過ぎて、それを疎まれ裏切られた。だが、この少年ならばそんな事を危惧することも無い。むしろ自分がその背中を追いかける方だ。


「いきなり何言ってやがんだ。俺も、エリアに救われた。エリアがいるから俺は人でいられるんだ」

「それでもありがとう」


始めの頃は信用なんてしていなかった。だが、自分のトラウマを乗り越えさしてくれたあの日に気付いた。どうやら、この少年の存在は大きくなり過ぎていたようだ。


「大好きだよ」

「……おぅ」


気恥ずかしさからなのか、ぶっきらぼうな態度も可愛く思える。


柊唯斗。()の最愛の人

エリアの一人称が『余』から『私』になってデレるまではもうちょいかかります!

誤字、脱字報告、感想待ってます!

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