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誰か私の味方はいないのか!  作者: 中村春
プロローグ
2/10

事の始まり

どうしてこうなったのか。


元を辿れば五年前、自国ベックフォード国の第二王子がクライズ学園へと入学する為、婚約者候補を選定するというところから全てが始まった。


中高一貫校である名門クライズ学園において、在籍している生徒の割合はほぼ貴族で占められているわけなのだが、貴族といえど本人たちは思春期真っ直中である。

過ちが起きては取り返しがつかない、との理由から入学前に婚約者を作っておく貴族は多かった。

当然、王家の少年も否応無しに婚約者を作ることとなったのである。


そして最終的な候補者として上げられたのが現婚約者のマリアことマリアンヌ=ジェラード。伯爵家のご令嬢と、

そしてアンことアンジェリーナ=ディヴッドソン。

同じく伯爵家のご令嬢にして現マリア様のとりまきである。



この話が上がった時、アンの両親は大いに盛り上がった。

そりゃあそうだろう。王家との繋がりが持てるのだから。



しかし当のアンは顔から表情が抜け落ちていた。

喜びのあまりではない。自分の将来を想像し、絶望していたのである。

少女は12歳にして絶望という感情を知ったのであった。



アンには夢があった。夢というには可愛げが無く、周りからは理解されない内容ではあったが、それはアンにとっては生きる目的、意味であった。



王家が求めるのは"国母となれる存在"である。

そしてマリアンヌ嬢は聞くところによると両親に似て自信過剰で手が付けられない、人の心が分からないワガママ娘である、という事だった。

これではどちらが婚約者になるのか幼いアンでも予想がつく。


喜んでいる両親とそうでない自分。

その差に耐え切れなかったアンは、自室で休んでも良いか両親に伺いを立てた。

それに対して有頂天な両親はアンの顔色に気が付くことなく、笑顔で了承したのである。






そしてその日からアンは2週間もの間、自分の部屋に閉じこもってしまった。


アンの夢がどういうものなのかはもう少し後で出てきます。


お読み頂きましてありがとうございました。

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