【5話】 魔乳神官の喘ぎ
5話が始まる!
「とりあえず、スキル取得はこれくらいにしておくか」
残りのスキルポイント、4ポイントは、さっきの【ウィンドウォッシャー・カッター】の時のように、
イザって言うときにとっておこう。
レベルも、なんかサクサク上がるみたいだしな。
さて、これでさらに快適に旅が続けられるぞ?
「ルーリィおまたせ!」
コカ・コー○に味をしめたのか、おかわりしてるルーリィを座席に座らせ、
俺は平原の真ん中から街道に戻った。
「そういやカーナビの言ってた事故車、あのワイバーンにやられたのかな?」
俺は、街道上でまだ燻っている馬車? に近づいた。
「あー、これ、【救急箱】とっておいたほうがいいかな?」
馬車の周りには、意識を失ってぐったりした白い服の人々が横たわってる。
横倒しになった馬車も、なんか高級そうだ。
「ルーリィは危ないから、中にはいっておいで?」
俺はとりあえず、【ウィンドウォッシャー・カッター】を最小出力で放出しながら
馬車の火を消し、武装【マニュピレイト・アーム】を1、インテリア【救急箱】をレベル3で取得。
スキルポイントはゼロになったが、それどこじゃない。
「ほいほいほい」
俺は、両サイドから生えた細い機械腕を使って、
半分木炭となった馬車とか、倒れた人を、自分の荷台に回収した。
合計6人。
どの人も、神官服みたいなのを着ている。
驚いたことに、全員まだ息がある。
というか、
服の焦げ形とか、破れ方からみて、もっと全員致命傷のズタボロな気がするんだが……。
とにかく、俺は神官たちの傷の具合をみて【救急箱】で手当てする。
「うぅう……し……信じて……」
最初に意識を取り戻したのは、すごい巨乳の、メガネ神官だった。
彼女が、うっすらと瞳を開けると、
「ずっと信じておりました、救い主さま……っ」
やっぱり見た目通り、神官というか、宗教関係者だったらしい。
助けられたのを、信じる神かなにかのおかげだと思っているらしい。
「良いのだ。そなたたちの、いつもの祈りが、こうして奇蹟を産んだのだ」
なんちゃってな。
気を強くもってもらったほうが、この際いいだろうし。
「ありがとうございます……! 救い主さま」
俺のマニュピレイト・アームレベルを握る魔乳神官。
そうとう意識が朦朧としているらしい。
「よいしょ……っ」
ルーリィが運転席から、器用に荷台へとよじよじやってきた。
これ、仮眠室から荷台に直結したドアとか付けた方がいいな。
地面に転げ落ちたらやばい。
「ルーリィ、みんな怪我をしているんだ。やさしくしてあげるんだよ?」
「うん!」
ルーリィは俺の真似をして、おじいさん神官の顔面に包帯を巻き始める。
将来やさしいエルフ娘になるに違いない。
そのおじいさん、頭怪我してないし、まだ生きてるんだけど、まあ、窒息はすまい。
ルーリィに窒息させられない努力を、おじいさんはするべき。
「あーっ、らしょうもんだーっ みてー? らしょうもんー」
「どうしたルーリィ」
「らしょうもんがいたよー? あ、ここにもー!」
「?」
子供との会話は、時に、哲学的色彩を帯びるな。
「俺がいたのか?」
「うんー!」
ルーリィが、メガネの魔乳神官の胸を指さす。
改めて、でかい。
いいんだろうか、神官なのに、こんな形をしていて。
とにかく、異世界にきて、本当によかったとだけは、断言できる。
ともあれ、ルーリィの中では、でかい=俺なのか?
「いや、……まてまて」
ルーリィが指さしているのは、女神官の胸ではなかった。
そこにから垂れ下がるように、銀色のホーリーシンボルが輝いている。
「これは……」
その四角いシンボルは、どう見ても、
「俺だな」
トラックを正面から図案化した物だった。
次回、風雲急!
いじると膨らむ…!




