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【10話】 決戦! 魔王を上手に轢けるかな!?

 

「ルーリィ、らしょうもんとけっこんする!」


 

「「「「「ッ!?ッ!?」」」」」」


 

 魔王オルガネーシャも、ビキニパンツも、その後ろにひかえる魔王軍も言葉を失った。


 もちろん、俺も。


 

「だから、いや!! そっちにいかない!」


 

 ルゥゥゥウウウウリィィィィイイイイイイイイ!!


 

「ラショウモン……どうやらおまえは、死ななくては、ならないらしい!」


 

 変態ダークエルフ兄さんの身体から、まがまがしいオーラが立ち上る!


 

「この魔王ベルキオンの本気を見せてやる!! バトルモォォォォオオオド!!」


 

 そのオーラはパンツ一枚の身体の隅々まで行き渡り、鎧のように、褐色の身体を包み込み、


 

 パァァァァァァッ!


 

「ルーリィと結婚するのはわたしだーッ!」


 

 ぴちぴちパンツに、綺麗な羽がはえたー!


 

 バサァ! バサァ!


 

「オラオラオラオラオラオラオラーッ!!」


 

「うおぉおぉぉおおおおおお!?」


 

 俺はとっさにバック!!


 

 『ピロピロピロ バックします   ピロピロピロ バックします』


 

 魔王ベルキオンの放ったオーラ魔弾を回避!


 

 でもこの攻略法、今日の昼、進◯ゼミでやったやつだ!!


 

「くらえ! 【ウィンドウォッシャー・カッター】!!」


 

 すいっ すいっ


 

「よ、よけた!?」


「がんばれ! らしょうもんーーー!!」


 

 俺はシートベルトでルーリィをがっちり固定! 見ていろルーリィ、俺はやる!


 


「や、やめるのじゃ兄者―!」


「ん?」


 

 見れば、ダークエルフ幼女、オルガネーシャが泣きながら兄を見上げ、両手を振り上げている。


 

「いくら兄者とて、わらわの配下に手をだすことはゆるさぬ! やめるのじゃ兄者ァァ!!」


「……は?」


「このバトルフォームは燃費が悪くてね。弱い者の魂を勝手に吸いとってエネルギーにしてしまうだけのこと。

 役立たずの下僕どもに、こうして役目を与えているんだ。感謝してもらいたいくらいだね」


「やめよー! ああああッ! みんな! 気をしっかりもてー! 兄者に吸われるでないーっ!」


「オルガネーシャさまー!」

「吸われたくないぃいい!!」


「オルガネーシャ様、きっと立派な、魔王に―――ー」


 ついに、数千数万いたであろうオルガネーシャの配下たちが、つぎつぎと上空の銀色ビキニパンツに

 吸い込まれていく……!!


「わらわが……わらわが、ラショウモンを見ても、失禁せぬくらい強い魔王であったら……!

 このような、このようなことを……!!」


 

「やめろベルキオン!!」


 

 俺はウィンドウォッシャー・カッターをくねらせ、さらにダークエルフを追い詰める。


 

「よそ見してんじゃねえ! お前の相手は俺だ!! 余計なことしてんじゃねえぞ!」


 

 魂吸引の余裕を、これ以上あたえるものか!!


 

「どうしたラショウモン。まさか怒っているのか?」


 

「ラショウモン! うぬは……!」


 

「勘違いするなオルガネーシャ! おまえの部下がどうなろうが知った事か!

 あのヘンタイにパワーアップしてもらっちゃこまるだけだ!!」


 

「だが、これだけでも十分なパワーを得た」


 

「だったら――これなら、どうだ!!」


 

 俺はさらにウィンドウォッシャーカッターの威力を上げ、ベルキオンに発射!


 

「ファファファファ! さっきからどこを狙っ――ファぁンッ!」


 

 びゅぅうううううう!! んびゅうううううう!!


 

「乳首を! 乳首を狙うなぁああああああッ!! はぁあああん! ぁあん!」


 

 魔王ベルキオン! あまりの心地に地上へ落下!!

 バトルモード敗れたりぃぃぃいい!


「行くぜ!! ベルキオン!! これで終わりだぁあああああ!!」


 

 ラムドリルLv10!! 


 

 俺はうなりをあげる凶悪なドリルを高速回転させ、地面でのたうつベルキオンへ突貫!!


 


「ふんッ!」


 


 だが、

 ドリルの先端が褐色の肌、銀色のパンツに触れる寸前、


 

 ビタぁッ!!


 

「らしょうもんっ!?」


「なにが、起こった!?」


 

 完全に、俺の身体は、停止していた。


 

「こ……これは、この、輝きは……!!」


 

 いままでに無い、わななきが、俺の全身を貫いていた。


 ベルキオンの目の前に現れていたもの。


 それは突如、地面から出現した、


 

「赤信号ッ!!!!!!?」


 

次回、決着!

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