どうしてだろう
「…翼…君?????」
そういって私は後ろを向いた。でも、翼君はいなかった。
「どうして私の家の近くを知ってるの???」
怖くてたまらなかった。
翼君が、そんなことをするなんて信じたくなかった。
そういえば、翼君はいつも愛想笑いだった。何かあったのだろうか。
そう、何か理由があってやったんだ。
プルルルルルル プルルルルル
携帯の℡がなる。それは、私の頭の中にどんどん回って、くるいそうになる。
「…もしもし…??」
℡に出てみる。
『…………』
何も聞こえない。 無言電話。
「キャァァァァ!!」
私は、℡を切り、急いで家に帰った。警察に言おうと思ったが、私は勇気が出なかった。好きな人が。そんなことをするなんて。
「そうだ…あいつに℡…」
私は翔に℡した。
『もしもし?美羽??何?』
「助けて。さっき誰かにつけられた…」
私は翔にすべてを話した。頭の中の不安が、すべて流れていく。
『そう…怖かったね…』
「うん…っ」
『じゃあ、明日から一緒に学校行こう』
翔は、いつも優しい。私のことを心配してくれる。私は、翔のことが好きだった。
小学生の頃、女子男子構わず話しかけるその姿は、私にとって初恋だった。
翔は、私のこと好きかわからない。
次の日は、電車に乗った。翼君はいる。でも、私は避けてしまった。
「美羽さん…?」