友達
初めて話せたあの日から、ちょうど一週間たった。私はその一週間がすごく短く思えた。なぜなら、こんなに楽しい日は今までなかったからだ。今まで、ごく普通に生活して、一日を過ごしてきたからだ。
「おーい、美羽。美~~羽」
隣から声がした。
「あ」
同じ学校の、黒野 翔 だ。
「美羽、あいつ誰だよー!いっつも一緒にいてー。。。彼氏かよ。」
「ちがうし!たまたま会った人だ!」
そうかぁ。と、翔はうなずく。少し嬉しそうにしていたが、私には気付かなかった。
「まあ、好きなんだけどね…??」
私がそういうと、翔は、なんだか落ち込んでいた。
「そっかぁぁ…俺も、美羽のこと好きなんだけどな…」
え?なに?そう聞き返したが、答えてくれなかった。
まさか、これがこんなことになるなんて…
さっきまで学校に居たが、下校だ。電車で帰る。
なぜか今日は翼君がいなかった。
プゥ――…
電車が止まる。私は帰る。
スタ…スタ…
コトコト。。
(誰か、ついてきてる…)
誰かが私のあとをついてきている。
私は、先回りの先回りをして、正体をつかもうとした。
ダッダッダッダッ!
私はくるくる道を回って、犯人を見た。一瞬だけ見えたその姿は、
赤茶色の髪 いつもつけているキーホルダー
「―――――――――――――…翼君??」