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一途なこの想い、届け
美羽は、毎日毎日同じ通学路で、同じ駅で、同じ電車に乗って学校に向かう。
「あ、またいる。」
名前も知らない彼は、いつも悲しそうにうつむいている。話しかけようか、そう思うが、いつも勇気が出ない。
「あ…あの…」
勇気を振り絞って話しかけようとした、その時だった。
ドンッ!
「きゃあっ!」
人にぶつかって、私は、彼にぶつかってしまった。
「す、、、すいません…」
「いいよ。別に」
彼は笑顔で言う。
「君、いつもこの駅にいるんだね。学校、こっち方面なの??」
「はい、そうです^^」
やっと会話が生まれる。でも、彼は、なぜか目が笑ってなかった。
愛想笑いしかしていなかった。
彼の名前は 佐々木 翼 というらしい。
となりの学校にいる。私達は、一気に親しくなれた。でも、これから彼の…翼の…残酷な過去を聞くなんて思っていなかった――――――...