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目を瞑って歩くと影でビクッとなるあれ


「ひっ!神代(かみしろ)!!そこいるよな!」


「ああいるよ、てか手繋いでるだろ」


 先ほど、俺たちは病院にに行ってきた。今のアウリは義眼の定期検査のため義眼を取られている。そのため包帯で目が覆われており、目がこれっぽっちも見えないのである。それに加え暗所恐怖症のためいつもの口の悪さはどこへ行ったのか、メンタルまで弱くなっている。


「手を離したら殺すからな」


「あいでででで」


強く握りすぎ・・・ ! 握りすぎ・・・・っ!手が潰されるか思った。握力と口の悪さはどこにもいっていない様だ。


「ちょっと寄りたいとこがあるんだがいいか?」


「しっかり掴めよ」


「はいはい」


 俺の話をしっかりと聞くほどの余裕はもうないらしい。暗所恐怖症なのに長い間外に連れ出すのは危ないと誰に言われる訳でもないが言われてはぐうの音も出ない、だがあえてぐうの音を出すと学寮に戻って置いていこうにも多分怖がってついてくるだろう。それは長年の付き合いで嫌と言うほど理解している。こいつはそう言うやつだ。


「いらっしゃせ〜」


 いつ来ても武器を扱ってるとは思えないほどの気の抜けた挨拶の仕方だなと思いながら、俺がこのひと月の間に特注しておいた物を取りに来た。


「神代、ここどこだ」


「武器屋、前に頼んでたものを、取りに来たんだ」


「大将例のものできてる?」


「お〜できてるぞ、こんなの作ったの初めてだったからな楽しかったぜ」


「ここら辺で武器屋ってここだけ?」


「形式上は模造店な、ここだけだぞ」


 銃刀法の穴をできるだけ乗り切ろうとする努力が垣間見えたな。


「初めて作ったか・・・・大将、弾数は一発でいい、一回使ったらルールで禁止されるからな多分」


「禁止されてないからって何しても良いと思うなよ、お前みたいな奴がいるせいで六法全書が分厚くなるんだぞ」


「銃刀法違反してる奴が何いってんだ」


 そんな軽口を交わしながら大将は頼んだものをプラモの様な段ボールに詰める、その手際は完成されており、無駄を一切感じない、長年こうやって法律の穴を掻い潜ってきたんだなぁ〜と感じさせられる、犯罪者とは思えない匠の技だ。


「お前失礼なこと考えてないか」

「いえいえそんな」


 変に読心術に長けている大将の目を掻い潜りながら頼んだ物を受け取り、アウリと一緒に店を出た。


「結局何を頼んだんだよ」


「ん?秘密」


「んだよそれ」


 別に秘密にするほどのことでもないが、どうせなら隠しておこう、実力主義の学園と聞いているからな、多分実戦だったり模擬試合だったりで戦闘させられるだろうしな、いざという時に出してびっくりさせてやろう。


「用事も済ましたし帰るか」


「おう」


 俺たちはそのまま帰宅、その間ずっと握られている手を離す。流石に蒸れてきたし結構な握力で握られているため痛い、手を離したアウリは1人で動くのが怖かったのかその場に恐る恐る座っていた。今の時間が大体7時半、明日は入学式で早いし、アウリもこんな状態だからな、飯と風呂、そして明日の準備をして早めに寝るか。









〜〜夜8時30分

飯の準備をしていたらもうこんな時間になってしまった。その間アウリは座りながら調理の音に耳を澄ませている。


「よしっ出来たぞ、立てるか」


「無理、手貸して」


「ほらこっち」


 本当に1人で動きたくないんだろうな、皿に乗せた飯をアウリに食べさせている、めんどくさいと思われそうだが意外と楽しい、なんというか雛にご飯を上げている気持ちだ。毎日だと億劫に思うかもしれないが、1カ月に1度くらいこう言う日があっても良いと思える。


「飯はうまいか?」


「おう、目が隠れてる分他の感覚が研ぎ澄まされてうまく感じるぞ」


「いつもうまいだろうが俺の飯は」









アウリに飯を食べさせて食器も洗い終わった。


「ふう、風呂入るかそろそろ」


「そうだな」


 目が見えないのに本を開いて読んでる風なのは新手のギャグかな?めんどいから突っ込まないけど。


「ほら服脱げ」


「変なとこ触ったら殺すぞ」


「体も洗うんだから少しは譲歩しろよ」


 アウリは風呂好きなのか何があっても風呂に入る。そう例え髪や身体を洗うのが俺でも、俺は別に性欲がない訳でもアウリのこと妹の様に思ってる〜みたいなよくある奴でもない、ただ裸というものにそれ程のエロスを感じないだけだ、ただ真っぱになるより服が肌けるみたいな方が興奮するだけ、ここは趣向の違いだな。そんなことを考えながら慣れた手つきで後は流すだけになってしまった、年々速くなっている気がする。


「ほら目を瞑れよ」

「ん!!」

ジャーーーー









「そういえば、明日って入学式だけか?」


 髪を乾かしている途中にアウリから明日の話が出てきた。


「多分?普通の学校だと午前中で終わると思うが」


「そうか」


 その質問に俺はつい良からぬ思考を巡らした、もし明日試験なんてあったら俺はアウリを抱えたまま戦わなくてはいけないのか。嫌々無い無い、明日すぐに試験するくらいなら学園に入るまでのあの試験はなんなのだ。(俺とアウリはやってないけど)俺は意味のない思考だと結論付け、話題を逸らすことにした。


「それより神器持ってるか?一応神器を取り扱う学園だしもっといた方がいいと思うぞ」


「ちゃんと準備してるから大丈夫だ」


「そうか、じゃそろそろ寝るかなやることもないし」


布団をここに持ってきて寝る準備を進めるがなぜか不思議な顔をするアウリ、なぜそんな顔をするんだ、これから俺が寝る所がそんなに変か


「なんで布団引いてんだよベットで寝るのに?」


 何いってるんだ、ベットで寝るのはおま・・・・まさか


「今日は離れないっていったのはテメェだからな、私が寝るまで触れてろ」


「マジすか」





 今日は随分甘えてくる。いや甘えてるには口が悪くて素直じゃないが、過去に目が見えなかった時はこんな事は無かった。遠回しに一緒に寝ようなんてアウリの性格的に有り得ないとも思ってた。ただの気まぐれか何か思うところでもあるのか、まあ滅多に言わないことを言ってきたんだ。勇気を出して言ったものを無下にするほど俺は人を捨ててない。実際顔は隠れて見えないが耳が少し赤いし


「寝る時に手を繋ぐのは流石に俺の体勢がきついぞ他の触れる方法で頼む」


「・・・・そうかじゃぁ、腕枕しろ」


「・・・・・・」


 本当にどうしたんだ。


「わかった」


今まででこいつに腕枕をした事なんて最初の頃の時ぐらいだ。そうそう人の頭部はこんぐらい重いんだったなと懐かしささえ感じる。横を見ると目が隠れて見えないが多分アウリが眠ったと思われる。今日は目が使えないのに、移動もしたからな疲れて当然か、俺はそっと腕枕を解いてリビングに引いておいた布団に眠る。




 寝る瞬間ふと髪を乾かしていた時の会話が脳裏を横切る。入学試験は入るための試験だそれだとクラスを決める試験の方はまだなんじゃ無いかと、て事は入学式の時に試合と言うのも十分有り得るのではとそんな考えが脳を反芻するが、俺も疲れていたため、深く考えずに眠りにつくことにした。

Q,アウリの口調が男勝りなのは何故?

A,昔の環境が劣悪だったので虚勢を張って心を守らなくてはいけなかった為、今も男勝りだが昔の虚勢を張った喋り方とは違い神代に近い口の悪さになっている。『子は親に似る』

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