第三十九話 リスタとの旅
仲間が増えると、旅は少し賑やかになる。
でも同時に、行き先も、選択肢も増えていく。
今回は、次の星へ向かうための「準備」と「別れ」のお話です。
リスタは宇宙船から自分の星を眺めていた。
「凄い!衛生写真より、星が緑に見える。
こうしてみると、まだまだ未開の大地もあったんだなぁ。」
「ねえリスタ。次の行き先なんだけど、1stから特に指示はないから私たちで再検討しようと思うんだ。ユウの身体のこともあるし、何か案はある?」
「そうねぇ……まず、気になることが……宇宙船にラボを乗せたと聞いたんだけど、見せてもらえるかな?」
三人は設置したラボルームへ到着した。
「うん。ここまで運んでくれてたなんて、凄い!ありがとう、アリス!ユウ!」
「へへ〜ん!リスタを仲間にするつもりだったから、そのつもりで準備しました〜。もちろん、大統領やメツさんにも事前に承諾は得てるから安心してね!」
リスタはほっとしていた。
「そっか……はじめから作戦通りだった。ということね。でも良かった……両親のことが気がかりだったから、やっと安心できた。」
リスタは設置されたラボを細かくチェックしていく。すると二人の方に向き直る。
「うん。次の目的は、セブンスターが良い。
そこで一旦、宇宙船を見てもらえないかな?」
「どこか悪いのか?」
「いえ、設置は完璧!けど、このラボは出力特性が特殊だから宇宙船には負荷が大きすぎると思う。だから、セブンスターの第7惑星、サイドセブンに行って、アップグレードした方が良いと思うの。」
「セブンスター……あそこね!そこなら行ったことある!この宇宙船もそこで作ったから、話は早いと思う!」
「それと、もう一つ。
ユウの身体のことを考えると、セブンスターまでの間に、"クリプタ"という星があるんだけど、そこが、超感覚が育ちそうな星ってラボの資料で見たの。
そこに立ち寄ることはできるかな?」
「ラム!惑星クリプタを調べてくれる?」
「承知しました。……………調査完了しました。
惑星クリプタ。ラボも存在します。
ニューラから通信を依頼しましょうか?」
リスタはこくりと頷く。
ユウも賛成の様子。
「うん!さっそくお願い!」
「承知しました。」
リスタはこの数ヶ月でラボの資料を全て読みあさり、個人的に記録もとっていた。
「さすがだ、リスタ!ラボの資料を暗記してあるなんて、凄いや!」
リスタは少ししょんぼりする。
「けど……わたしも全てを覚えてるだけじゃないから……ああ〜、こんなことならデータを全て内緒で抜いとくんだったなぁ〜。」
「……内緒で抜いとくって。リスタ、意外とやるね。」
「まあ、そうよね。ラボのデータは基本的に持ち出し禁止だから、やるとしたらその手段しかないよね〜。………でも〜!でも?でもでもでもでも!」
「そんなの関係ねぇ!……なんてね。
リスタ、そこの画面から色々検索してみて?」
リスタは、ハッとしてすぐに画面を操作する。
「こ、これ………す、すごーーい!
え?!これ、どうやって持ち出したのーー?!」
「ラムに頼んで、データを移したんだ。
そして……自動的に向こうのデータもこっちに更新できるようにリンクさせてある。
もうバレてると思うけど。」
「ユウ、アリス……意外とやるんだね。」
三人は吹き出して大笑いした。
ピコン!
「アリス、ハンズ博士から通信です。」
「ありがとうラム。
はい。こちらアリス。無事に大気圏を抜け、現在安全圏内で行き先を検討中。
リスタ合流により、当初の行き先と変更することになりました。」
『お。無事にリスタを連れ出せたようだね。
大統領から後で聞いたよ。
次は惑星クリプタだな。もう向こうに通信は入れてある。
OKだそうだ。
あと…………なぜ、わたしがシモンへタンクトップを贈ったことになってるんだね?』
「ぎくーー!……そ、それはですねえ……」
『わたしからにするなら、せめてもっと洒落たものにしてくれ、わたしが脳筋みたいじゃないか!
タンクトップならテソーからの贈り物の方が自然だと思わんか?』
ハンズ博士は笑いながら話す。
『いいえ、それは聞き捨てなりません、ハンズ博士。わたしはタンクトップの趣味はありません。』
『おっと、そこに居たのかテソーよ。』
『フハハハハー!なかなかやってくれたなあ!しかし!このタンクトップは素晴ら……』
『やかましいぞシモン!会話が聞こえん!
テソー!シモンを少し向こうへ離してくれ!』
「ぷ。まるでコントだ。」
三人はまた大笑いする。
ブン!
そこへモニターが映し出される。
大統領もメツもそこに居た。
「あ………お父さん、お母さん……あの……ご、ごめんなさい……わたし……アリスやユウたちと、いくことになったんだ……ごめんなさい。」
『謝ることはない。実は、事前に二人から相談されていたのだ。
だからもうわたしたちも腹を括っていたよ。
弟の想いも一緒に連れて行ってあげてくれ。
荷物の中に、愛用していた腕輪がある。
ユウ、アリス。リスタを頼んだ。』
「おじさんの。え?荷物って?」
『おかあさんがぜーんぶ必要なもの、渡しておいたからね!あなたの部屋はもうすっからかんです!』
「いつの間にーー!たしかに、自宅に帰る前に、いつも通りラボの部屋で寝泊まりしたから……そういうことかぁ」
「じゃあ!わたしたちはもう行くね!
みんな!色々ありがとう!
また会おうねー!」
「お父さん!お母さん!行ってくるね!身体に気をつけてね!無理しないでねー!」
『ああ、思う存分、旅してきなさい!』
皆、手を振って別れ、通信は切れた。
「さあ!じゃあ、惑星クリプタへ!」
「出発だーー!!!!」
第三十九話 完
最後までお読みいただきありがとうございます!
家族、師匠、そして仲間たちに見守られ、ついに新章「惑星クリプタ編」が始動します。
ユウの「超感覚」は新たな星でどう開花するのか、そしてリスタの知識がどう世界を切り拓くのか。
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