第三十二話 会議
ついに始まった、ラボとニューラによる運命の直接対決。
銃口に囲まれた一触即発の空気の中で、マイクを握ったのは若き天才・リスタでした。
語られるのは、既存の常識を覆す未知の細胞理論。
科学としての正しさと、生命への願いは、冷徹なラボの論理を動かすことができるのか。
予測不能な会議の果てに待っていたのは、誰もが想像しなかった結末でした。
銃口を向けられつつ、ユウたちは案内されるままにラボの敷地内へ入る。
リスタは少し表情が硬い。
「大丈夫。もし発砲してきても俺もアリスもいる。向こうもわかってるから仕掛けてはこないと思う。安心して。」
転移装置移動して、ミーティングルームへ入る。
そこにはすでにニューラの科学者ら全員が集まっていた。
ラボ内にはミーティングルームが複数存在しており、今日は大会議室のようだ。
中は階段教室のように広がっており、
中央には主要人物だけが座れるように長机が設置されている。
ラボ側は、ハンズ博士、テソー、シモン
反対側には、ユウたち五人が並ぶ。
司会はソテーが取り行う。
「本日は、ニューラで起こった出来事、そして未来についての話し合いを行います。皆様、よろしくお願いします。」
ソテーは落ち着いている。
ユウは気配察知を張っていたが、どういうわけか、殺気は感じられない。
むしろ、一部泣いているスタッフもいる。
(どういうことだ?大統領たちは反逆者のはず……)
ソテーはすでに資料を皆に配布しており、ことの経緯はスクリーンでも淡々と説明された。
どちらの側にとっても偏りがない、公平な事実であった。
もちろん、ここに至るまでの大統領側の想いも組み込まれている。
「以上が、今日までの経緯となります。
ここからは、今後について話し合いたいと思います。
その前に。先ほど説明した、ニューラで開発されている知識と技術について、今からプレゼンをしていただきたいと思いますが、よろしいですか?」
「はい、準備はできています。リスタ、いける?」
「はい。」
リスタは堂々と立ち上がり、ソテーからマイクを預かる。
ユウはスクリーン係。学会発表や院内発表でお手のもの。
ここでスタッフらの目の色が変わる。
リスタを見る目は反逆者ではなく、一人の科学者としてのリスペクトの目だ。
事前に大まかな資料を転送していたため、皆、その理論と過程に興味があるらしい。
リスタは、細胞蘇生の理論を説明。そして、ultimate細胞との親和性についてもスムーズに説明していった。
そして、課題となる。設備について、今後何が必要かも、惜しみなく発表した。
「以上で、プレゼンを終わります。ご清聴ありがとうございました。」
ここで思わぬことが起きた。
なんと、スタンディングオーベーションが巻き起こったのだ。
各々から素晴らしいとの声も挙がっている。
ユウとアリスは豆鉄砲を喰らった顔になった。
「ど、どういうこと??まるで予想してなかった。」
その後、ハンズ博士が話し出す。
「とても素晴らしい内容だった。
ニューラや、人類の未来に繋がるものだ。
こんなにも若いのに、よくここまで構築できたものだ。まさに天才と言って良い。
皆さん、どうだろうか?
わたしたちは秩序を守るものでもありながら、その反面、根本は科学者……、何が言いたいか、わかるかね?」
会場は静かに頷く。
「この件は、もうすでに全体的ミーティングで話を済ませてある。
結論から言おう。
これらのことを含めて、今後のニューラの未来のため、規定を修正しようと考えている。
それで良いかね?大統領。」
「はい。もちろんです。科学者の皆様。此度の我々の一連。本当にご迷惑をおかけしました。感謝します。」
大統領とメツは静かに泣いていた。
「確かに、規約違反をしたのは事実だ。
だが、わたしたちも頭が硬かった。
もう少しニューラの民に寄り添う姿勢が必要だったのだ。
現に、これだけ素晴らしい人材が現れたじゃないか。
これから共に手を取り合い、未来のために安全で、建設的な法を作っていこう。」
こうして、この場は解散となった。
その後は大統領とラボの首脳陣でサイドミーティングが行われることとなった。
はたして、会議で出た法律案とは。
ニューラ、そして、ユウたちの冒険にどう影響してくるのか。
第三十二話 完
最後まで読んでいただきありがとうございました。
リスタの情熱がラボを動かした第三十二話。ユウが「架け橋」になろうとした結果、物語は平和的な解決へと大きく舵を切りました。科学者たちが結局のところ「真理への探究心」で繋がっているという描写は、書いていて私自身も熱くなるものがありました。
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今後とも hanaXIII をよろしくお願いいたします。




