第二十一話 大統領
平和な星ほど、
秘密は深く、静かに沈んでいる。
ラボから大陸までは、ラボの母船で大統領を連れて往復する。
基本的には船や飛行機など、軍事利用できそうなものは全てラボの管理だ。
その理由としては、戦争の予防。反乱の予防。星の外への無断飛行の予防など、ありとあらゆる予防策のためだった。
大統領を乗せた船がラボにつく。
数人のガードマンがいるが、船で待機させる。
「お久しぶりです。ニューラ大統領。さあ、こちらへどうぞ」
ラボ内を見て周り、そのままミーティングルームへ向かう。
ミーティングルーム。
大統領は定期的にラボを訪問してトップ同士で情報を共有している。
今回は、例の噂についての協議がテーマだった。
「そんな噂が?それは誰かが秘密裏に開発しているということでしょうか?
では、我々も調査致します。何かわかればご報告致します。」
会議はスムーズに終わった。
アリスはすでに船内に潜り込み、作業員として働いていた。
大統領は船に戻り、大陸へ発進した。
◆
ハンズ博士は思った。
大統領が怪しい、と。
なぜなら、ここ数年で、行方不明になったスタッフが一人いたからだ。
そして、そのスタッフは、大統領の幼馴染だった。
大陸へ調査に向かうと言ってから連絡が途絶え、もう20年になる。
(もしかすると、捕えられて、研究をさせられてるのではないか?いや、それなら自ら命を断つはず。情報漏洩は禁忌だ。
わからない、因果関係はあるのか?)
ハンズ博士の胸に、嫌な予感が沈殿していく。
行方不明の情報と大統領との関係も、すでにラムの方へ送信済み。ありとあらゆる線を検討して任務に向かう。
◆
アリスは船内で声を拾われない場所を把握している。
そこでラムに指示する。
大統領の音声を拾うよう指示した。
「はあ……この訪問はいつまで続くのか。
今日も肝心の話は出来なかった。
メツよ、これで良いのか……」
(メツ博士??確か幼馴染、、、。あのもの言い、、すでに他界している?それとも語りかけ?どちらの線も可能性はある。)
アリスは持ち場に戻る。
無事に大陸へ到着する。
「はい、では、この荷物をあちらに移動させたら今日のお仕事は終わりです。
配当を受け取り解散してください。」
アリスは表の仕事を終え、本業を開始する。
まずは西から順番に調査することとなる。
(ラボの情報、きっと掴んでみせる!)
第二十一話 完
20年前の失踪。
そして、名前を呼ばれた博士。
点は、少しずつ線になり始める。




