第二十話 アリスの任務
アリスはエージェントであり、
そして、誰かの“居場所”でもあった。
「では、わたしの方から詳細を説明します。
まず、中央区で秘密裏にラボ開発が疑われている件は、全体ミーティングで共有した通りです。
アリス様にはその調査に行ってもらいます。
調査方法は、主に情報収集。
東西南北のエリアに、ラボメンバーが住める部屋をご用意しております。
本来ならそこは、ラボメンバーが大陸に行った際に宿泊するところであり、また同時に身を守る場所でもあるのです。」
「身を守る?この星は戦争禁止じゃなかった?」
アリスは真剣に質問した。
「ええ、本来はそのルールです。ですが、万が一、私たちラボメンバーをよく思っていない人がいたとしたら?
拉致される可能性も、ゼロではないのです……。
話を続けます。
アリス様はその部屋をご使用ください。
情報は、ラム様へ全て送信しております。
情報は定期的にラボへお送りください。
もし、ラボ開発の件が事実であり、潜入可能と判断した場合は、アリス様のご判断で行けるところまで行って情報を聞き出してください。」
アリスは質問する。
「もし、追い詰められるような状況になったら?
最低限の装備はして行って構わないのよね?
わたしはエージェントであると同時に、ユウを連れて守らなくてはいけない。わたしはもう死ぬわけにはいかないの。
抵抗しないといけなくなったらこの星のルール、破るかもしれない。
それでも構わない?」
しばらく沈黙が続く。
「承知しました。
最低限の装備はしていってください。どうかご武運を。」
「ごめんなさい。本来ならもしもの時は、、、」
「いえ、1stはそこまで望んではいないはずです。生き延びる方法を最優先にしましょう。ユウ様にとってもあなたは必要な存在ですから。」
「ありがとう、、、」
「あちらの大陸への進入方法は、明日、大統領との定期会合がありこちらに船が到着します。
アリス様は全員の一人として同乗ください。
毎回こちらの母船で往復するので、パスコードなどはこちらで調整致します。
大陸へ到着しましたら、その後はお任せ致します。」
「了解」
アリスは必要な装備を自室で確認、チェックして、もしもを想定したシミュレーションをしている。
アリスのミッションがついに始まるのだった。
第二十話 完
ここまで読んで頂きありがとうございます。
任務は始まった。
帰る理由は、もう十分すぎるほどある。




