第十九話 覚醒の蓋
覚醒は、ある日突然起こるものではない。
強くなるとは、何を変えることなのか。
ユウの選択が、ここで試される。
「じゃあ、さっそくだがアリス、君は作戦の詳細を伝えるから、ミーティングルームへテソーと同行してくれ。
ユウは、わたしとトレーニングルームへ。」
「じゃあ、気をつけてね、アリス。また任務後に。成長できるようには頑張るよ。」
「うん、お互い頑張ろうね」
アリスはテソーと静かに去っていった。
ユウはハンズ博士と共にトレーニングルームのラボへ移動。
まずはミーティングからだ。説明はハンズ博士が主体だ。
「まず、、、ユウ、君の体はすでに蓋が開き始めている。その証拠に、地球では普段の自分よりも運動能力が飛躍的に上がったと報告があった。
ならば、ここでは、筋力、体力を中心にトレーニングをして、負荷量をアセスメントさせてもらう。
その都度適した負荷と、回復過程、向上スピードを見ていく。
ん?何か質問かね?」
「あ、いやあ、俺もリハビリの仕事してたから、この手の話は懐かしいなと思って。
あと、想像では、なんかこう、カプセルみたいなのに入れられたり、注射されるのかなと想像してたからほっとしてます。」
「?
それらが無いとは言ってないぞい?
もちろん、さまざまな投薬関連も用意してある。
先ほどのはトレーニングだが、初めに行うのはそのイメージ通り、遺伝子チューニングだ。
このニューラが専門で扱うのは、人の見た目の変化をコントロールするものだ。」
「み、見た目をコントロール?ま、まさか」
「ふはははは、化け物みたいなのを想像したか?可能性はゼロでは無いが、ユウ、君は理想の姿、イメージできるかね?こんな姿なら強くなれるな、こんな人は強かったな、とな」
ユウは、あるプロボクサーを想像した。
「はい、俺の中で尊敬するファイターがいます。」
「よろしい。ニューラでのチューニングは、今後自分が戦うための下準備だと思いたまえ。
顔はもちろん、手足の長さや骨格。それらは君がイメージするがゆえ、細胞が反応し変化する。
ほら、怪我したら元に戻ろうとするだろ?あれと同じ理屈を応用し研究を重ねた。」
「す、凄い技術ですね。この技術って再生医療にも応用できるんじゃ、、、」
「良いところに気がついたな。そう。まさに今その研究をしている。
人が致命傷を負っても即時再生できるよう今後は研究を進めていく。そのための遺伝子もすでに1stから届いておるからのう」
「あ。一つ忘れとった。
トレーニングは何も筋トレなどアスレチックだけではなく、スパーリング、つまり、格闘トレーニングもあるから、ま、頑張れ」
「う!は、はい、頑張ります!」
「では、ここからはわたしが、、、ゴホン!
俺はシモン。格闘とトレーニングの担当だ。
よろしくなユウ!」
「よ、よろしくお願いします。」
その後、ユウはカプセル型の装置に入り、液体の中へ。数時間ごとに液体が抜かれ、その後はガス、液体とを繰り返す。
数時間が経過。
今度は細胞注射。注射とはいっても、極細の針の束がチクっと一瞬当たる程度。蚊に刺されるくらい全く痛覚は感じない。この一瞬で細胞を注入する。
丸半日が過ぎた頃
「さあ、準備はできたようだなあ!さっそくトレーニングを始めるぞう!」
ここからユウの地獄のトレーニングが始まるのだった。
第十九話 完
ここまでお読みいただきありがとうございます。
これから、ユウの身体に明確な変化が現れ始める。
どんな変化を辿るのか。




