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第十二話 月へ   〜惑星ニューラ編〜

ここから物語は、地球の外側へ本格的に踏み出します。

世界観・文明に焦点を当てた回です。

ユウと一緒に、未知の景色を体験してもらえたら嬉しいです。

二人と別れ、光の中に吸い込まれると、船内へ辿り着く。

「ユウ、そこのサークル見える?その上に乗ってみて」

あたり一面真っ白な空間。床にはいくつものサークル上の青い光がある。

その一つの上に立つと、ユウの周りに丸い透明のガラスのような膜に囲まれる。

「そのまま立ってるだけで大丈夫だからね。とりあえず、コックピットへ」

『かしこまりました。』

(女の人の声?ここを管理してる人かな?)


アリスとユウは膜ごと船内を高速で移動する。

船内にはこの移動ルートが張り巡らされており、好きな場所に移動できる仕組みとなっている。

「到着したわ。そこの扉を越えると、コックピット前よ」

アリスがドアに手をかざすと、スッとドアが開く。

そこには廊下が広がる。少し歩くとまた巨大な扉。

またアリスが手をかざすと同じくスッと開く。


「う、わあー、広い、、そして、すごい風景だ、、!」

コックピットは多少の操縦席と、どこに繋がるかはわからないが壁には複数の扉。基本的には白がベース。

天井、正面、壁は透けて宇宙が見える。


「ここは、宇宙船の中心部。この景色は外に設置されたいわゆるカメラからの映像を映してる。何百個もあるカメラからこの画面を映し出してるの。」


ユウは口を開けている。

後ろを振り返ると、地球が見える。

(俺、あそこにいたんだな、、)

「も、もうあんなに遠く、、アリス。これからどこへ向かうの?」


「ひとまず月、、かな。」

「つ、月?!!もしかして何かいるの??」

「何か?というか、ちゃんと人類はいるよ?あ、ユウたちの世代じゃないけど、ちゃんとコロニーがあったり、ラボもある」

「コロニー?ラボ?」

ユウは何もかも初めてのことに動揺する。と同時に期待とワクワクが混ざり合う。


「それについてはわたしから説明致します。」

どこからとも無く声が聞こえる。

(まただ、女の人の声、どこだろう)

「はじめまして、わたしはRA-M typeUと申します。わたしは人工知的生命体、あなた方の言葉で言うところのAIと思ってください。」

(な、なるほど、生命体ということは、意思もあるのかな?)

「月の内部にはコロニー、つまり居住区が存在しています。ラボとは、月全体の機能を保つ管理棟のようなものです。」

「そんなのがあったのかあ。都市伝説は本当だったんだ、、、でも、なんで地球と交流しないんだろう」

「あまりにも価値観が違うからよ。文明レベル、人としての在り方、全てにおいて今の地球人とは反りが合わない。ユウたちの言葉でわかりやすく言うならばスピリチュアル的に言う、"波動や次元が合わない"というもの」

アリスが補足してくれた。


「その通り。現代の地球人のレベルでは、欲、支配、独占が強く、皆が平和になることが難しい現状です。それには後数百年かかるでしょう。

かつての文明はその過程を一度乗り越え、そして、リセット前にこの月にも移り住んだのです。では、識別コードも認証完了しましたので、一度着陸致します。」


(すげぇ、ほんとに月に文明があったんだ!)


月の裏側に回ると、地球が飛ばしたであろう人工衛星がある。

『ステルス展開、ゲート進入』

アナウンスのあと、なにやら薄い膜のようなところを通過すると、洞穴のようなところへ入っていく。

しばらくするとまた薄い膜を通り過ぎる。


ユウは目を疑う。そこには都市が広がっていた。

機械的な建造物が一面に並んでおり、SFで観る近未来の姿そのものだった。


巨大なタワーが中央にあり、その周辺にもタワーが並ぶ。

その一角上空へ到着して、一旦ラボ内へ入ることとなった。


「さあ、ついたわ。ユウも来る?」

「あ、うん!俺も行くよ!」

ユウはひとまずアリスについていくことになった。

「心配しなくて大丈夫、みんな地球人だから、あ、見たことない見た目の人もいるかなあ。はじめはびっくりするかも」

「ありがとうアリス、彼らに失礼が無いようにするよ」

アリスは微笑む。

サークルで自動移動し、船外へ。

地球を出た時同様に、光内でゆっくり浮いて降下する。

(こ、これはまだ慣れないなあ、高いところ怖えええ)

アリスはゆうの手を握って微笑む。

「大丈夫、慣れるまではわたしがこうして降りるから、安心して」

「あ、ありがとうアリス、俺、高いところ苦手で、、」

「なのに、展望台は大丈夫だったの?」

アリスはクスッと笑う。

「あ、あそこは落っこちたりしないから、、!」

それを聞いて続けてアリスは笑った。

月内部は人が十分呼吸できるようコントロールされている。

塔先端からエレベーターで降り、またサークル移動する。

ユウはキョロキョロ辺りを見ながら挙動不審。それを見てアリスはまた微笑む。


月のラボへ到着。

ユウはついに、未知の世界へ。


第十二話 完


ここまで読んでいただき、ありがとうございます。


月に存在する文明――

それは「人類の未来」であり、

同時に「かつての人類が辿り着いた答え」でもあります。

次回はついにラボ内へ!どうぞ、お付き合いいただければ幸いです

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