第9話、チュートリアル。
――シャル殿から、いわくつきのパイロットスーツの着用の許可の言質は取ったから、いざというときは強制的に着させよう
うんうんと頭(データ?)の中で考えていると、
「おいっ、今不穏なことを考えたな」
シャル殿の鋭いツッコミを、
ピュー、ピュ~~
下手な口笛でごまかした。
「ではっ、自分の操縦方法の説明に入ってもいいかな」
「……わかった」
シャル殿の短めのプリーツスカートから白い生足が見える。
「まずは立たせてみよう」
自分は今シャル殿を乗せる為に片膝をついている。
「足元にフットペダルが四つあるな」
「ああ」
「左から、 ”後退”、 ”前進”、 ”胴のひねりと一緒に使い進行方向を変える”、 ”ジャンプ”だ」
「ふむん」
「上半身を上にひねりながら左の真ん中、 ”前進”のフットペダルをゆっくり踏んでくれ」
「わかった」
シャル殿がのけぞりながらフットペダルを踏む。
銅鎧型の固定器具がシャル殿の上半身の動きを感知。
シュシュ
軽い音を出しながら、自分が立ち上がった。
「ほほう」
視線が上がり少し驚いたようだ。
「自分の操縦方法は大まかに分けて二種類ある」
「うむ」
「レバーやフットペダルを使う通常の方法と、シャル殿の脳波を感知、同期して操る、”脳波同期操縦”だ」
「むう?」
「簡単に言うと、自分がシャル殿が頭の中で考えたことを調べて動かすこと」
「むうう?」
「実際にやってみよう」
左腕を前に。
「左手で何か作ってみて」
「うむ」
シャル殿が、人差し指と親指で輪を作るOKサイン。
――明るい〇族〇画っ
シュ
「あっ」
自分の左手も同じ形になる。
「これは……」
「まあ、大まかな動きは通常の方法で、細かな動きは同期操縦でという感じだ」
「ああ、装甲巨兵の、”思考同期操縦”だな」
「ん?」
「装甲巨兵を、思考結晶とマナを介して自分の思うがままに動かすものだよ」
完全思考同期型と半完全思考同期型の二種類がある。
ちなみに、ガーディアンゴーレムは人が乗らない、”完全思考同期型”だ。
これは、異世界から流れてきた脳波同期操縦をこの世界流にアレンジしたものと知ることになるが後の話だ。
「さあ、ゆっくりと歩いてみよう」
「ああ」
シュシュン、シュシュン
「意外と上下に揺れるなあ」
「まあ、自分戦車だから、ロイヤルサルーンみたいにはいかないよ」
ちょっと得意げに言う。
「そういうものか」
「そういうものだ」
「それと、やはり自分でできない動きは頭の中で思い描けないので、訓練頑張ってね」
「ハートウーマン軍曹のブートキャンプか」
「そう」
「なんか参加したハイエルフの戦士たちがどんどん変になっているような気がするが……」
「気のせいだ」
「気のせいか」
「そうか」
二人してうなずきあった。




