第4話、迷いの森。
「霧が濃いな」
霧の中をハイエルフである、”シャルルシャ⤴ラファンシャル⤵シャラ⤴シャルラ”殿の後をついていく。
コピペで楽ちんだ。
同じような木々がぼんやりと白い霧にかすんで並んでいた。
「ふむん」
――GPS作動
人工衛星は当然無いので方位磁針と移動距離の記録から大体の位置を割り出す。
「おや?」
――東西南北がある
ここは月が二つある異世界だ。
少し驚く。
「”シャル”殿、北はあちらでいいのだろうか?」
指さした。
「む、ほほう、さすがマキナ、迷いの術が効かんか」
「?」
「はは、ここは、ハイエルフの精霊術式がかけられた、”迷いの森”よ」
「私の背中を見失えばすぐ迷うはずだが……」
――落ち物でマキナである九六には効かんか
しばらく歩くと、
「まあいい、ついたぞ」
白い霧が晴れた。
そこには、自分と同じくらい(七メートル)の高さの白い木の壁。
その向こうに、木の上に家や建物が建てられている。
正面には木でできた白い門があった。
門には、銀色の金属で葉っぱや枝を模した螺鈿細工が施されている。
「むっ」
その左右に、門と同じような白い木で螺鈿細工が施された人型の人形が二体。
大きさは自分より少し小さいくらいか。
きれいな弓を持っている。
近づくと、曲線を帯びた左右の顔がこちらを向いた。
鳥の羽のような飾りが二つ、顔の動きとともにゆれる。
――音波切断機を起動させるか
ちなみに両手に装備されている。
身構えたのに気付いたのか、
「ああ、あれはガーディアンゴーレムだ」
「シャルだ、今帰った」
二体に手を振る。
「これは私が森で見つけた、”落ち物”だ」
左右のガーディアンゴーレムがお互いを見るように首を動かす。
後ろの門の横の壁に見張り台。
その窓から、目の部分をバイザーで覆った人が出てきた。
――ガーディアンゴーレムの操縦者か
「確かに、”シャル”だな」
「装甲巨兵の操縦者は顔を見せろ」
「あ~、これには人は乗っていないんだ」
「むむっ」
「なにっ」
「見せてくれるか」
「むう、恥ずかしいのだが……」
――仕方がない
パシュン
無人の操縦席を開ける。
「自分は、九六式歩行空挺戦車の人工知能だ」
「ちなみに、搭乗者を募集中である」
「おおっ」
「誰も乗っていない」
「ふふんっ、どうだっ」
何故かシャル殿がどや顔で胸を張った。
「とりあえず、”見極めの広場”まで入れ」
「里長を呼ぶ」
「わかった」
左右のガーディアンゴーレムが門を両手で押しながら開いた。
白い門の中に入る。
「邪魔するで」
シャル殿に面白みがないといわれたので、元の世界の喜劇のセリフを言う。
「???」
シャル殿のけげんな表情。
当然、「邪魔するんなら帰って」という返しは無かった。




